逮捕を免れた横澤は事件にどう関与していたのか

〈エマイユ〉は銀座のアパレル会社のことで、〈元付け〉とは土地の所有者から直に売却を依頼された業者のことを指す。森氏の前掲書でもカミンスカスを事件に引き込んだ「アパレル業者E」として登場するのだが、犯行にどの程度関与したのか判然とせず、逮捕を免れた。

 だが、カミンスカスの〈事件構図〉によると、横澤は地面師グループとなりすまし役の羽毛田正美をつなぐ存在とされ、事件のカギを握る人物のように書かれている。

舞台となった「海喜館」 ©時事通信社

 カミンスカスから2通目の手紙にはこう書かれていた。

ADVERTISEMENT

〈“地面師 6年目の真実 白昼の死角”〉

 カミンスカスの言うとおりなら、警視庁捜査2課も見逃していたことになる。はたして横澤は「主犯格」なのか――。

 続きは月刊文藝春秋4月号(3月10日発売)、および月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(3月9日先行公開)に掲載されている森氏のレポート「地面師 獄中からの告発」をお読みいただきたい。他にもカミンスカスの生い立ちや、服役中にリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の市橋達也と同じ工場で働いていたことなどが詳述されている。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋PLUS」で購読できます
積水ハウス55億円詐欺事件 地面師 獄中からの告発[前編]
次のページ 写真ページはこちら