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case2・危険ドラッグを使用する入居者

 愛知県内のマンションの一室で起きた事件の話。職業不定の20代の男性入居者が、室内で友人ら数名とともに危険ドラッグを使用していた。仲間の一人が意識不明の重体になり、救急搬送。事件当日、危険ドラッグを使用していた入居者は、現行犯逮捕され、そのまま勾留されてしまった。

 家主は、警察から防犯カメラに残っている記録の提出を求められ、現場保全のため、数日間、室内にあるものを勝手に動かすこともできなくなってしまった。家賃滞納があったわけでもないが、住人としてこのまま住まわせているのも、世間体から憚られた。考えあぐねた結果、家主は、緊急連絡先となっていた両親に連絡を取り、親族を通じ建物の解約届を出してもらい、退去してもらったのであった。

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 近年、若者を中心に、大麻や覚せい剤と似た効用を持つと言われる危険ドラッグ使用による犯罪が絶えない。家主としても対応に困る事件だ。

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case3・監視カメラが映した、下見中の窃盗グループ

 群馬県前橋市の家主が物件内にある事務所で、監視カメラを確認していた時のことだった。高性能な監視カメラを設置しているのだが、カメラから異様な光景が映し出された。黒色のスーツにマスクをした3人の男性が、それぞれ位置を確認しながら監視カメラを撮影していたのだ。周りの様子をうかがうこともなく、まるで監視カメラを扱う専門業者が点検をしているような様子で何枚も写真を撮影していた。「見た目は普通の中年男性。およそ犯罪を冒すようなタイプではなかったですが、エントランスまで入ってきて、カメラを確認していく姿を見た瞬間、真っ先にエントランスに下りて行きました」と家主は当時を振り返る。

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 エントランスに行くと、3人はすでに車に乗り込み、建物から離れようとしていたところだった。家主は急ぎ車を追いかけ「人の敷地内で何をしていたんだ」と声を上げたが、猛スピードで彼らはその場を立ち去った。

 後日、この時のカメラに映し出された車体ナンバーや男らの写真を持ち、警察署に相談。乗っていた車は、盗難車両だったことが判明。男らは、窃盗の下見に来たのではないかと警察からは言われたそうだ。家主は不審人物が敷地内にいたという情報が近隣住民や入居者からあった場合には、その目撃情報があった周辺日時のカメラ映像は確認し、警察に巡回警備を強化してもらい、犯罪を未然に防ぐことが必要だと感じたという。