◎名だたるブランドの超複雑時計を製作
アントワーヌ・プレジウソは1957年、スイス・ジュネーブに生まれた独立時計師である。ジュネーブ時計学校で5年間の修行を積み首席で卒業。その後、『パテック フィリップ』で経験を積み、1981年に自身の時計工房をジュネーブ郊外に設立した。
その卓越した技術により著名ブランドや博物館から希少な時計の修復を依頼され、ジュネーブ時計博物館の記念時計製作にも参加。経験を活かして本格的な複雑時計の製作に取り組み、『ブレゲ』の世界で最も複雑な腕時計と称される“ミニッツリピーターパーペチュアルカレンダー”の開発製作も手掛けた。
さらに新素材研究にも注力し、2002年には隕石をケースに使用した時計を世界で初めて発表。同年、『ハリー・ウィンストン』の「オーパス・シリーズ」に参加し、その第2弾となるトゥールビヨンを開発。芸術性と技術力で大きな貢献を果たした。アントワーヌ・プレジウソは、世界屈指の複雑時計(コンプリケーション ウォッチ)の権威なのである。
2015年には息子のフローリアンと共同で、3つのトゥールビヨンを搭載した革新的なモデル「トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ」(Cal.AFP-TTR-3X)を発表。3つの特許を取得している世界で唯一の機構で、時計業界で最も権威があるとされ“時計界のアカデミー賞”とも言われる「GPHG(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ)にて、イノベーションウォッチ賞とパブリック賞をダブル受賞した。
いまや時計業界では数少ない家族経営を貫くアントワーヌ・プレジウソの時計は、他の何物にも似ていない唯一無二の個性を放ち、次代に受け継がれ永遠の時を刻み続ける。
◎アントワーヌ プレジウソ ジュネーブの“芸術品”

「トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ TTR3 メテオ スペースビュー」は、かつて流れ星だった隕石のケースの中で、3つのトゥールビヨンが複雑に共鳴しあう、宇宙のロマンの詰まったトゥールビヨン モデルの最新作だ。
心臓部には、アントワーヌ・プレジウソとフローリアン親子の10年にわたる研究の末に生まれた、ブランドの中核をなし創造性と革新能力を反映した“トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ キャリバーAFP-TTR-3X”を搭載する。3つのトゥールビヨンキャリッジそれぞれがまるで衛星のように60秒に1回転、さらに全体のプレートが10分間に1回転して共鳴し、安定した周波数を生み出して正確な時間を刻む。
同ブランドは1980年代からメテオライトを作品に採用している隕石使用のパイオニアだが、そのブランドのアイコン素材と、同様にブランドのアイコンである複雑機構が融合した作品といえる。

「トリリオン トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズTTR3 ブルー イコライザー フリークェンシーズ」は、バゲットカットの宝石が織りなす華やかで洗練されたデザインが特徴。重力の法則を超越し、共鳴の原理を巧みに取り入れたこの時計は、限界に挑戦するハイジュエリー・ウォッチの傑作だ。
この時計も前出のトゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ TTR3 メテオ スペースビューと同様にブランドの象徴であり、トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ キャリバー AFP-TTR-3X を搭載している。
ホワイトゴールド・ケースには24カラット・233個の上質なブルーサファイアが施され、まさに魅惑的な光のシンフォニーを奏でる時計となっている。プレジウソ親子の卓越した技術と芸術的才能がハイジュエリーとハイウォッチ・メイキングの融合を実現した一つの証だ。

「トゥールビヨン ロイヤル 」こちらは現行モデルではなく、2008年に登場した、レガシー的タイムピース。匠の技、精緻な装飾をふんだんに施した懐中時計で、1929年にジュネーブで製作された希少なエボーシュ(ムーブメント)を組み直し、装いを新たに制作された作品である。
アントワーヌ・プレジウソが複雑機構と全体の設計を、彼の娘ローラがケースのデザインと精巧な透かし彫りを、息子フローリアンはムーブメントの調整を担当した。細部までこだわったエングレーブ(彫金)と精緻なジェムセッティングは、同ブランドのスピリットとパフォーマンスを体現するプロフェッショナル・チームによって行われ、見事な傑作に仕上げられた。普遍的な高級時計製作の遺産として不動の地位を確立し、受け継がれることだろう。

「シエナ」はアントワーヌ・プレジウソがイタリアの古都シエナを訪れた際、世界で最も美しい広場と称されるカンポ広場で目にした「マンジャの塔」の時計からインスピレーションを得て誕生した。
中世を思わせる繊細な装飾針、優美なマザー・オブ・パールの文字盤が特徴の、美しくエレガントなジェンダーレスウォッチで、2023年末にオリジナルモデルと同じエッジの立ったケースとケースサイズで復刻された。

今春には、春の花々をイメージした淡いパープルと、スイスの雪解けの輝きを表現したペールブルーの2色のストラップモデルが登場。冬の終わりを告げ、春の訪れを予感させる洗練されたカラーが手元に上品な華やぎを添える。各ストラップの裏地にはフェミニンな赤紫を施し、細部にまで美しさを追求した。
時を超えて受け継がれるクラフツマンシップと革新の融合──アントワーヌ プレジウソ ジュネーブの時計は、身に着ける人の人生に寄り添い、新たな物語を刻み続ける。
問い合わせ先=日本総輸入代理店 一新時計 TEL 03-6631-0087 https://www.antoine-preziuso.jp/contact/
