民事と刑事両方一緒にごちゃごちゃにやるという場合もありますが、それは地方裁判所の支部に行った場合に多いですね。通常は民事と刑事と仕事が分かれています。実際には民事の希望者が多いです。ずっと民事をやりたいと思いながら、実際にはいつも刑事のポストばかりいわれて不本意だなと思っている人もいるでしょう。

転勤先には、佐渡島、淡路島、奄美大島、石垣島もある

日本は小さい国のようにいわれたりもしますが、都道府県だけでもかなりの数になるうえに、支部まで入れると任地の行き先というのは前記のとおり相当多くなります。場所も地方というか田舎というようなところもあるし、東京や大阪と比べるとだいぶ生活ぶり、私生活の方も変わってくるでしょう。任地の多様さを思わざるをえません。家族も同様に、任地の多様さに順応していく必要があります。うまくいかないと配偶者の希望で単身赴任あるいは裁判官を辞めなければならないみたいなことになります。

地裁の支部というとかなりの地方都市にもあるということをすでに述べましたけれども、島にもあります。たとえば佐渡島、淡路島、奄美大島とか石垣島にもあります。遊びで石垣島に行く分には楽しいだけで終わるかもしれないけれど、そこの裁判官に異動し引っ越したとなると、それと同じ感覚ではいかないでしょう。やはり不便なことも多くなるし、遊びにしても限られてしまうでしょう。仕事としても面白くないかもしれません。裁判所は、離島にもあるというところが異動を考えるうえでもだいぶ違います。

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豪雪地帯に行くかどうかもかなり大きな問題

もちろん他の会社でも転勤がありますし、中央官庁でも同様です。ただ、島にまで任地があるかどうかというと、必ずしもそうではないだろうと思います。そこは裁判の仕事の特殊性で、日本国民全員に裁判を受ける権利を公平に認めなければならないという観点から、離島であっても人口の少ない町であっても置いてあるわけです。裁判所までの往復の時間なども考えてなるべく公平になるようにしているそうですが、それにしても離島にもあるというのは他の官庁ではちょっとないかもしれないですね。