ENEOSホールディングス完全子会社のJX金属が3月19日、東京証券取引所プライム市場に新規上場した。市場からの資金吸収額が約4400億円。昨秋の東京メトロの約3500億円を上回る規模で、「上場後の株価の推移が今後のIPO(新規株式公開)市場における投資家心理を左右する」(市場関係者)と指摘されるほどだ。

「JX金属は銅やレアメタルなどを中心とする非鉄金属大手。合併や再編を経て、2016年に現在の社名に変更した。連結売上高は1兆5000億円を超え、半導体材料でも高い世界シェアを誇ります」(銀行関係者)

セクハラ体質からの脱却を図る宮田社長

 親会社のENEOSは調達した資金を、成長が期待される脱炭素事業への投資や株主還元に充てるという。巨額のIPOを主導したのが、昨年4月にトップに就いた宮田知秀社長(59)だ。

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「ENEOSでは22年8月に、経団連副会長なども務めた杉森務会長(当時)が女性ホステスへのセクハラで辞任。さらに翌23年12月には齊藤猛社長(当時)も懇親会の場でのセクハラで解任。この異常事態の立て直しを託されたのが、宮田氏でした」(同前)

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 現在配信中の「週刊文春電子版」では、宮田社長の聖域なき資産売却などの改革や、旧日石系との確執の深まりなどの不安要素を詳報している。