4月5日に筑波大学の入学式を迎え、大学生活をスタートさせた悠仁さま。その進学先がどこになるかは、かねてよりメディアでも注目をされていた。悠仁さまの「学び」への意識を考察した、ジャーナリスト・友納尚子氏の「愛子さまと悠仁さま」から一部を抜粋する。

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悠仁さまの進学先で騒ぎに

 秋篠宮家の長男、悠仁さまは昨年12月、筑波大学生命環境学群生物学類に合格された。愛子さまと同様に、附属高校からの推薦入学だったが、宮内庁から合格が発表されるまで、どこに進学されるのかメディアで過熱した報道が相次いだ。東京大学をはじめ、東京農業大学などの名前も取り沙汰された。

ご成年を迎えられ、記者会見に臨まれた悠仁さま(宮内庁提供)

 その背景には、悠仁さまが戦後の皇族で初めて、幼年期から学習院以外の進学先を選ばれてきたことがある。お茶の水女子大学附属幼稚園から同小・中学校に進まれ、提携校進学制度で筑波大学附属高校に進学された。同高校が、一般入試、推薦入試の双方で東大への合格実績を誇るだけに、母の紀子さまが東大への推薦入試を勧めているのではないか、とも報じられた。

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 幼少期から昆虫と、その生育環境にご関心があった悠仁さまは、お住まいの赤坂御用地でトンボ類の生態調査を続けられてきた。2023年11月には、2012年から約10年かけた調査結果を、国立科学博物館のトンボ研究者らと共著で論文にまとめて発表されている。

 昨年8月には、国際昆虫学会議に秋篠宮ご夫妻とともに出席された。この国際会議では、論文の共著者である研究者が、悠仁さまと皇居で行ってきたトンボ調査の中間報告をポスター掲示で発表する一幕もあった。

国際昆虫学会議でポスター発表をした共同研究者 Ⓒ時事通信社

 こうした悠仁さまの研究活動も、すべては東大に推薦入学するための布石だと、根拠のない説が巷間ささやかれ、インターネットでは東大進学に反対する署名活動まで起きる騒ぎになっていた。

 悠仁さまは9月6日、18歳を迎えて成年皇族になられ、母親の紀子さまも同月11日に58歳のお誕生日を迎えられた。

 お二人の誕生日に合わせた会見で、皇嗣職大夫と宮内庁長官は進学先をめぐって騒ぎになっていることに、「根拠のない情報が流れている」と強い違和感をにじませた。

 紀子さまも文書で、「私たち家族がこうした状況に直面したときには、心穏やかに過ごすことが難しく、思い悩むことがあります」と胸の内を明かされている。

 さらに反響を大きくしたのは、11月30日の秋篠宮さまのお誕生日(59歳)に先立つ会見だった。

「バッシング情報というのは、これは第三者と当事者では恐らく意味合いが異なってくるように思います。当事者的に見るとバッシング情報というよりも、いじめ的情報と感じるのではないかと思います」

 秋篠宮さまは、これまでも「皇族は生身の人間」など、会見で率直なお気持ちを述べられることが多かったが、それにもまして強いお言葉だった。悠仁さまの研究が誤った情報と結びつけられることを止めたい一心で吐露されたと思われる。