「800億円の内容はご認識の通りです」

 西武HDの西山隆一郎社長に、売却にあたって約800億円もの手数料と法人税がかかったこと、税負担を繰り延べしなかったことを尋ねると、文書で概ね次のような回答があった。

「800億円の内容はご認識の通りです。本件はキャピタルリサイクルモデルを推進する中の流動化案件となり、固定資産ではなく棚卸資産(販売または消費する目的で保有している商品、製品、原材料などの資産)としての会計処理であるため、買い替え特例対象外となり、税負担の繰り延べは行っておりません」

西武HDの西山隆一郎社長 ©時事通信社

 だが、通常はキャピタルリサイクル云々に関わらず、固定資産として売り、繰り延べするのが一般的。わざわざ棚卸資産にする必要はない。

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 このように西武HDのガーデンテラス売却は“謎”ばかりだ。

 売却した本当の理由は何か? そこには同社のトップに君臨する後藤高志会長兼CEOと創業家である堤家との長きにわたる因縁があった――。

 月刊文藝春秋5月号(4月10日発売)、および月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(4月9日先行公開)掲載の秋場氏のレポート「堤家追放 西武76歳会長の執念」では、このほか、ガーデンテラス売却に伴う安全保障上の懸念後藤会長が「なんであんなまずいワインを(ホテルで)出すんだ」と発言した一件西武と堤義明氏との“密約”などについて詳述している。

文藝春秋

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堤家追放 西武76歳会長の執念
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