安倍晋三 首相
「拉致問題について明確に提起していただいたことについて、トランプ大統領に感謝したいと思っています」
ハフィントンポスト 6月12日
米朝首脳会談の共同声明を受けて、安倍晋三首相は6月12日、記者会見を行った。安倍首相は「今日の米朝首脳会談に至るまでの、トランプ大統領のリーダーシップと努力に対して心から敬意を表したいと思います」とトランプ氏に賛辞を捧げた後、今回の共同声明の内容について、「北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決にむけた一歩と、支持いたします」と評価した。
しかし、共同声明には拉致問題のことが記されていなかった。拉致被害者の曽我ひとみさんは「とても残念」「もっと具体的な答えを引き出してほしかった」とコメントしている(朝日新聞デジタル 6月12日)。
拉致問題は議題としては後回しになった感が強いが、安倍首相はここでも「感謝」してみせた。そもそもトランプ氏との仲を強調してきた安倍首相が、トランプ氏が満足している首脳会談について批判できるわけがない。安倍首相は拉致問題について、「最終的に解決していくのはまさに日本の責任において二国間の問題として、日朝で交渉しなければならない」(朝日新聞デジタル 6月12日)と語ったが、それは最初からわかっていたことじゃないの?
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伊吹文明 自民党・元衆院議長
「期待を裏切られたというのが私の率直な感想だ」
朝日新聞デジタル 6月14日
こちらのほうが与党の偽らざる感想だろう。伊吹氏は「(拉致問題の解決と非核化が実現する前に)日本が経済協力の一翼を担うことは私はやめなければいけないと思います」と断言した。
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金正恩 北朝鮮・朝鮮労働党委員長
「安倍晋三首相と会ってもよい。オープンだ」
産経ニュース 6月14日
米朝首脳会談で、正恩氏がトランプ氏に対して「安倍晋三首相と会ってもよい」と発言していたことがわかった。首脳会談でトランプ氏は「本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」と正恩氏に説明、「安倍首相は拉致問題を解決しない限り、支援には応じない」と述べたとされる。
いよいよ日朝首脳会談に向けて調整が始まりそうだが、どうにも正恩氏と北朝鮮側に主導権を握られているような気がしてならないのは気のせいだろうか?
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ドナルド・トランプ 米大統領
「金正恩党委員長のことは信用している。でも1年後に“間違いだった”と言うかもしれない」
TBS NEWS 6月13日
直後のインタビューでは予防線を張ることを忘れなかったトランプ氏。はたして、1年後の北朝鮮をめぐる世界情勢はどうなっているのだろうか?