池上彰さんの新連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!
【カジノ法・かじのほう】
ギャンブル依存患者が出てもトランプ大統領の支持組織を儲けさせて依頼を実現させようという壮大な計画。
【池上さんの解説】
何が何でも「カジノ法」を通したいという安倍政権。「カジノ法」では聞こえが悪いので、IR実施法と言い換えた。言い換えは安倍政権のお得意ですからね。
IRとは「統合型リゾート(Integrated Resort)」のこと。国会にはIR議連という議員連盟があって、そこが以下のような「IR実施法案に関する基本的な考え方」をまとめています。
「統合型リゾートとは宿泊施設、会議施設、飲食施設、物販販売施設等とともに、カジノやその他のエンターテインメント施設等を含む複合的な観光施設をいい、都市や観光地において、観光客、ビジネス客、一般市民等を顧客とする高規格、集合的な集客施設である。(中略)日本再興戦略(平成25年6月14日策定)において、政府は2030年までに訪日外国人3000万人を目標としており、IRの整備は国の成長戦略に位置づけられるべきものであり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合うよう、最大限努力すべきである」
「カジノで日本再興かい」と突っ込みが入りそうです。
日本で誕生させようとしているIRのイメージはシンガポールで金正恩委員長が視察(?)に行った「マリーナベイ・サンズ」。トランプ大統領や共和党に多額の政治献金をしているカジノ王のシェルドン・アデルソン氏が経営しています。
IR実施法が成立したら、アデルソン氏のカジノ、ではなかったIRが真っ先に上陸してくるでしょう。そうなればトランプ大統領はご満悦。日本の頼み事を聞いてやろうということになるでしょう。
それならいっそ、トランプタワーでも建てますか。
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