「いつもはメイクなんかしないし、美容だなんだってことも何も気にかけず、ひたすら家事のことをしたり、子供たちの学校行事や子供の友人のお母さんたちとの仕事なんかに没頭していて、メイクだとか香水なんか全然つけないんです」
しかし、そんな広末容疑者が急に派手な外見をしだすタイミングがあったという。きっかけはいつも精神的なストレスだった。
「過度なプレッシャーがかかったりだとか、不条理なことに出くわしたりとかそうなってしまうと、濃い化粧をして派手な格好をして、眠ることができず、常に何かを書いていなければ心が収まらず、誰かに連絡をしたり、豹変してしまうんです。結婚してから何度かそういうことがありました」
家事や育児に没頭していた広末容疑者が、急に感情が高ぶって落ち着きを失い、衝動的・過活動になってしまうことに驚き困惑したのだろう。キャンドル氏は俯き、唾をのみ込みながらそう話した。
豹変する妻を前に驚いても、事務所の姿勢は「ひたすら我慢、隠さなければならない」というもの。緊張からか、唇を何度も舐めながらキャンドル氏は当時の無力感を吐露する。
「家族たちも、彼女が社会的に不条理なことをしていてしまっても黙って見守るしかできない」
広末を守るために周囲の人が全力を尽くしてきたが…
キャンドル氏は、広末容疑者の精神状態が夫である自分だけでなく、母や友人の力を借りても解決の難しい問題であったという。
「本来であれば、おかしなことをしたら叱るのが母だと思いますが、叱ることで彼女が遠ざかってしまう。そういった状況に立った彼女にものを言う人を、彼女は遠ざける、逃げてしまう。そういうこともあったので、彼女の母はずっと、どんなことがあっても耐えて、自分の子どもたちの面倒を見に来てくれていました。彼女の親戚たちもそうです。彼女の友人たちもそうです」
広末容疑者を守るために、周囲の人間は全力を尽くしていた。それは、そうしなければ何を起こすかわからない、という不安から来るものだった。
「いろいろ言ったら、もっと彼女がひどい人になってしまって、事情もわからない人たちに助けを求めてしまうだろうと。そうなってはいけないから、彼女が気晴らしにって言ったら、『朝までカラオケ付き合うよ』とか。『海に行くのも付き合うよ』って、『なるべく1人にしないほうがいいから』って。
自分もそういった場面の時に戸惑いもありましたが、それまで彼女を守ってきた皆さんのルールに従って、どんなことがあっても自分の友人にも家族にも誰にも言わず、自分の中に留めてきました」

