3月にはメタンガスによる爆発事故も
万博は直近ではメタンガス問題だ。着火すれば爆発する恐れがある濃度のメタンガスが検知されたのだ。テストラン時に共産党市議が指摘した。実際昨年3月にはメタンガスによる爆発事故が起きている。このときも万博協会の情報公開の姿勢が問われていた。今回の大阪万博の見どころは「言論統制万博」「情報隠ぺい万博」になってしまうのか。これが“展示”されている。
では開催側における万博の意義とは何か。「なぜ夢洲なのか」。ここにポイントがある。前売り入場券の売り上げが低迷して当日券販売も検討し始めたのは2月だったが、そもそも来場予約のしくみが厳密だった背景には何が?
《立地の問題がある。会場となる大阪湾の埋め立て地「夢洲(ゆめしま)」につながるのは鉄道が1本、道路が2本のみ。一度に多くの人が訪れてしまうと、雑踏事故の危険があるほか、交通網がパンクし、混乱が地域全体に広がりかねない事情を抱えている。》(朝日新聞2月5日)
メタンガスの危険があるのも「夢洲」の成り立ちに関係がある。一部は一般廃棄物などで埋め立てられた地域だからだ。そんな場所でなぜわざわざやるのか。次の記事を見てほしい。
「交通手段限られる夢洲を会場にした理由は何か、万博誘致担った松井一郎・前大阪知事に聞く…開幕まで2か月」(読売新聞2月13日)
(カジノを含む)IRと密接に関係
当初、府の候補地案は6か所あったが夢洲は入っていなかった。松井前知事は「ベイエリアの発展は、大阪の成長には絶対に必要だ。だから夢洲を入れるよう、菅さんにお願いした」。菅さんとは当時の菅義偉官房長官のことだ。
ただ、万博は半年間の開催だからそれだけでは不十分だと思い、
「だから(カジノを含む)IRだ。(略)そうしないと夢洲の価値は上げられない。」
いかがだろうか。カジノが密接に関係している。ノンフィクションライターの松本創氏は「要は万博を引っ張った人たちの目的はIR、夢洲の開発なんです」と指摘する。「文化的な意義づけや、社会的なレガシーを残す議論とは無縁で、理念や哲学はありません」(毎日新聞)
こうも表現する。「空疎だけれど規模だけでかい催しを計画し、『子供たちが国際イベントに接する意義』みたいに、万博以外でも成り立つ理屈を後から持ち出すから破綻を来す。当初は予定になかった木造大屋根リングなどの計画が降って湧いたように出るのも、その表れだと思います」
