ロシアW杯を戦う西野ジャパン。誰がつけたのか、メディアの間で「ビッグ3」なる呼び方が定着している。ビッグ3とは、誕生日順にいうと岡崎慎司(1986年4月16日)、本田圭佑(86年6月13日)、香川真司(89年3月17日)の3人を指す。
「ビッグ3」はちょっと意地悪な呼び方
日本代表の主力中の主力という意味でビッグ3と呼ばれている……というのは表面的な理由で、実はこの呼び方、彼ら3人が昨年秋の海外遠征で続けてメンバー落ちしてから定着したと見られている。岡崎と本田は昨年10月と11月、そして今年の3月の代表招集から落選、香川は10月は呼ばれたものの11月は落選、この3月も負傷のため招集外となっていた。ビッグ3と呼ぶ大物扱いはつまり、「知名度はあるが扱いづらい」という揶揄が含まれた、ちょっと意地悪な呼び方なのだろう。
だが、ハリルホジッチが解任され、西野朗が監督に就任すると、3人はすんなりとメンバー入りを果たした。新指揮官は本田に関して「影響力がある。チームにプラスをもたらしてくれている。経験値だけではないストロングな部分を強く感じた」と高く評価。香川についても国内最終戦となったガーナ戦のパフォーマンスを見た上で、「状態は良くなっている。中盤オフェンシブの中で彼の独特な感覚、センスはこれから高まっていく」と、持ち味への期待を寄せた。だが、岡崎に関しては特別な評価のコメントは聞こえてこない。それどころか、ロシア・カザンでトレーニングを始めると「オカの状態が一番気になる」と心配されてもいる。
「ボールを出せば追いかけてくれる」
岡崎は今年に入って負傷が続いている。所属するレスター・シティで2月に膝を負傷し3試合欠場、その後4試合出場したが、4月に足首を痛め最終節まで5試合で出番なし。代表に合流した5月下旬時点ではスパイクも履けず、別メニュー調整を行なっていたほどだ。西野ジャパン最初の試合となった5月30日のガーナ戦には59分から出場したものの、どこか乗り切れないままだった。
岡崎の特長は、決してうまくはないが、泥臭くどこまでもボールを追うことにある。倒れては起き上がり、またプレーする。代表で長らく共に戦った内田篤人は以前「ボールを出せば追いかけてくれる。まるで犬とボール投げ遊びしてるみたい」と言ったが、尽きない体力はまさにそんなイメージだ。