公文書を改ざんした財務省に「信じて」と言われても

――ということは、通し番号が欠落しているものを検察に出したと。それで検察から何も言われなかったと、そういうことですか?

 加藤財務相「検察との関係についてここで申し上げることではございませんが、私ども検察からいろんなやり取りもある中で(文書を任意で)提出させていただいた。別にその間に何か隠しているということは全くない、ということです」

――隠していることが全くないと何で言えるんですか?

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 加藤財務相「あるものをお出ししているから。私どもは先ほど申し上げたように(検察から)戻ってきた文書をそのままお出ししている。そこは信じていただく以外に私どもとして申し上げることはございません」

大臣会見の様子

 公文書を改ざんした財務省に「信じて」と言われてもにわかに信じられるものではないが、加藤財務相は次のようにも話している。

「今回そのような(赤木さん側の)ご要望もございますので、(残りの)開示作業と並行して対応すべく確認を行っているところであり、できる限りこの点についても早期にご遺族に回答できるよう真摯に対応していきたい」

 この「要望に対応すべく確認」という言葉は、欠落の原因を調査した上で回答するという意味だと受け止め、次のように質問した。

「それなりの対応をした上でお答えさせていただきます」

――先ほど大臣は原因を調べて遺族に明らかにするとおっしゃいましたが……。

 加藤財務相「原因とは申し上げておりません」

――欠落した理由ですね?

 加藤財務相「違います。しっかり聞いてください。新たなご要望はございました。それには答えるべく対応するということです」

財務省の外観

――新たな要望の中で、欠落の理由を尋ねています。

 加藤財務相「ですから、そうしたこともご要望がございましたので、それに対してどう対応していくかを含めて今、中で精査させていただいています」

――つまり、調査するかどうかは決めていないけれども、精査して対応を考えるということですね。

 加藤財務相「当然、お答えするためには、それなりの対応をした上でお答えさせていただきます」

会見は時間切れで加藤財務相は米ワシントンへ

 ここで会見は時間切れとなった。加藤財務相は4月23日から開かれるG20=20か国・地域財務相・中央銀行総裁会議などに出席するため米ワシントンに向かった。開示文書欠落問題で赤木さんの弁護団が出している質問の回答期限は4月28日。信頼できる回答は返ってくるだろうか?

会見台には1カ月ほど前から大阪万博のマスコット「ミャクミャク」が置かれ、大臣の意向でNISAをPRする金融庁のマスコット「ワニーサ」(左)も置かれるようになった

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 4月23日(水)正午配信の「週刊文春 電子版」ならびに24日(木)発売の「週刊文春」では、フリー記者・相澤冬樹氏が『再び“改ざん”か? 森友開示文書に73枚の欠落』と題した記事を掲載。2000枚以上に及ぶ開示文書から73個の文書が欠落している疑いや、国有地の“8億円値引き”に関する新事実、赤木雅子さんと俊夫さんの元上司とのやり取りなどについて詳しくレポートしている。

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