「『身代金支払いの有無』については『回答は差し控えさせていただきます』。『情報セキュリティに対する取り組みに問題はなかったのか』という問いに対しては、『サイバー攻撃の事実のみをもって、当社における情報セキュリティ対策に不備があったとは評価し得ない』。『下請法違反への具体的な再発防止策』についても、『役職員に対する法令周知等をより徹底して行い、再発防止に努めております』と、何ら具体的な対策の記されていない答えだったのです。

 これは到底、回答と呼べるようなものではないだろう。彼らはこれで済ませるつもりなのだろうか。経営陣の姿勢を世に問うべきではないか――そう考え、今回、取材に答える形で、質問状を公開することにしたのです」(角川元会長)

KADOKAWA本社 ©時事通信社

「会社に復帰したいという思いから送ったわけではない」

「会社に復帰したいというような思いから、質問状を送ったわけではない」と語る角川元会長。夏野社長ら経営陣に、次のように問いかけた。

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「昨年引き起こしてしまった二つの大きな問題について、いま一度考えてもらいたい。経営者が自分たちの責任に目をつぶってしまう企業に、未来はありません」

 月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」では、角川氏への独占インタビュー「KADOKAWA夏野剛社長は、説明責任を果たすべきだ」を掲載。角川元会長の在任中にもあったランサムウェアへの被害対応、「下請けいじめ」を生んだ社内風土が作られた原因、KADOKAWAが2023年に公表したガバナンス検証委員会調査報告書の問題点などについて語っている。また「質問状」の全文、夏野社長の回答書要旨も公開している。

文藝春秋

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KADOKAWA夏野剛社長は、説明責任を果たすべきだ