大阪・関西万博が開幕して2週間が過ぎた。X(旧ツイッター)ではどう伝えられているのか? 朝日新聞が万博開幕から1週間のXを分析したところ、ポジティブな投稿は17.1%、ネガティブな投稿は53.4%だったという(残りは中立)。

知事2期目の吉村洋文氏 ©時事通信社

 具体的な内容は、「入場に関する不満やパビリオン予約の要不要などの実用的な情報が拡散された。開催への批判や安全面での懸念が根強い現状も浮かび上がった」とある。

驚いた大阪市長のポスト

 分析結果について万博協会の副事務総長は「運営改善の指摘はあるが、ポジティブな発信が増えてきている。『行って楽しかった』という投稿が伸びていくよう、やるべきことをやっていきたい」。

ADVERTISEMENT

 そう、運営側はポジティブ発信が増えるように日々改善していけばいい。一方で税金が投入される巨大イベントなのだから課題の指摘や論評とも向き合うのは当然だ。しかし、大阪市長の次のポストには驚いた。

 横山 英幸 (大阪市長)
〈ネガキャン対策も進めますが、ごく一部のばかばかしい「反万博ビジネス」「反対ありき」の政治家や一部メディアの声は必要以上に相手にしなくていいとも思ってます。

楽しみ頂いてる方々、来場頂いた方々や関係者は皆、前向きです。

ここまでの課題や不安のお声を解消するため全力で取り組みます。〉
午前9:03 ・ 2025年4月17日

 市長のいう「反万博ビジネス」ってなんだろう? 会場の夢洲では万博後にカジノ開業が控えている(IR)。そう考えると「反万博ビジネス」とはオンラインカジノのことだろうか。たしかに商売敵に思える。

 しかし文脈からすると「反万博ビジネス」はどうやら万博の問題や課題を指摘する人やメディアを指すらしい。この考え方は凄い。近年、批判や批評を「悪口」と言って話をすり替える手法があるが、さらにパワーアップして批判や指摘を「ビジネス」と言い始めたのである。万博運営側の態度で問われているのはこういうところなんだと思う。そういえばしんぶん赤旗への取材拒否発覚もあった。