「計算方法にもよりますが、私が会長を務めるマネックスグループが暗号資産取引所のコインチェックを買収した2018年頃、金の時価総額は約8兆ドルでした。それに対してビットコインの時価総額は約2000億ドルと2%ほど。それが2024年末時点では金の時価総額約18兆ドルに対して、ビットコインの時価総額は約2兆ドルと、およそ11パーセントになりました。7年間で5倍超になったわけです。つまり世界的にビットコインに資金が流入している」

松本大氏が会長を務めるマネックスグループは暗号資産交換業を手がけるコインチェックを2018年に買収した ©文藝春秋

ドル体制からの離脱を目論む中国とロシア、そしてトランプは…

 この資金流入というトレンドは今後も続くと松本氏は予測する。その根拠は、中国やロシアなどのドル体制からの離脱だという。

「中国は一時期、米国債の世界最大の保有国でした。ですが近年はドル体制からの離脱を目論み、保有額はどんどん減っています。その代わりに買っているのが、金とビットコインなのです。これはロシアも同様で、ドル体制から離脱しようとしている国々は金とビットコインをリザーブとして持ち始めている」

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 これはトランプ政権がビットコインの備蓄に動いた要因でもあるという。

「ビットコインがべらぼうに高騰していったとき、持っていない国と持っている国で国力に差がついてしまう。だからこそ、トランプ大統領もビットコインの備蓄を命じたのだと考えられます」

暗号資産サミットで演説するトランプ大統領 ©︎CNP・時事通信フォト

 松本大氏のインタビュー「私が見ているビットコインの未来」は、5月10日発売の「文藝春秋」6月号にて7ページにわたり掲載される(「文藝春秋」のウェブメディア「文藝春秋PLUS」では、5月9日に公開)。

文藝春秋

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私が見ているビットコインの未来
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