優しかった兄の存在

 俺は当時、真ん中の兄ちゃんが特に大好きだった。兄ちゃんはいつもみんなの中心にいるタイプで、俺にとって憧れの存在だった。誰とでも仲良く接する兄ちゃんは、俺ともよく遊んでくれた。

 俺の誕生日パーティーに、同い年の友だちはひとりも来なかった。

 だけどその代わりに、兄ちゃんの友だちがたくさん来てくれた。兄ちゃんをきっかけに、みんな俺と仲良くしてくれてたんだ。

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 同い年の輪には、全く入れてもらえてなかった。遊びにも誘ってくれないし、みんなが作った秘密基地にも入ることは許されなかった。

 それを兄ちゃんたちに相談すると、みんなは、「じゃあ、俺たちでもっとデカい秘密基地を作ろう!」って言ってくれた。

 本気で嬉しかった。この人たちといれば、きっと大丈夫だと思った。

 俺たちが作った秘密基地は、同い年のものとは比べ物にならないくらいデカくて、カッコいい出来だった。俺を仲間外れにしてたヤツらも羨ましがって、「僕らも入れてよ」なんて言ってきたくらいだ。

 兄ちゃんたちは「どの口が言ってんだ」って追い払おうとしてくれたけど、俺は「いいよ。一緒に遊ぼう」って入れてあげることにした。心の底では、「同い年のみんなとも仲良くしたい」って気持ちがどうしてもあったんだ。

 だけど、そんな楽しい毎日も長くは続かなかった。