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高齢者を食い物にするビジネスモデル
武田さんの話によれば、訪問歯科医はとにかく数をこなすことで利益が出るといい、朝から晩まで一つの高齢者施設の入居者を診ることで稼げる仕組みだという。
「歯科治療を積極的に受けたがらない方もいれば、そもそも治療の必要がない方もいます。言い方は悪いですが、そうした高齢者にも、『口腔ケアは受けたほうがいい』と施設が利用を仕向けてくれます。だから訪問歯科医側にとって施設には頭が上がらないという側面もあると思います」
もちろんルールを守り、志を持った訪問歯科医が多いのは言うまでもない。だが、彼女たちが証言したように、高齢者施設と訪問歯科医、仲介業者が、まるで高齢者を食い物にしているような例があることもまた事実である。
甚野 博則(じんの・ひろのり)
ノンフィクションライター
1973年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者に。「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」などの記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞。現在はフリーランスのノンフィクションライターとして、週刊誌や月刊誌を中心に社会ニュースやルポルタージュなどの記事を執筆。近著に『実録ルポ 介護の裏』(文藝春秋)、『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)がある。
ノンフィクションライター
1973年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者に。「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」などの記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞。現在はフリーランスのノンフィクションライターとして、週刊誌や月刊誌を中心に社会ニュースやルポルタージュなどの記事を執筆。近著に『実録ルポ 介護の裏』(文藝春秋)、『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)がある。
