アメリカやイタリアでも大ヒット

 作品の評判も良く、昨年10月に1700館で公開したアメリカでは、その後2377館に拡大。興行収入3200万ドル(約46億円)を突破し、政治スリラーといったジャンル映画における異例のスマッシュヒットとなった。舞台となるバチカンを擁するイタリアでも、上映館は337館から577館に拡大、興収は日本円で約10億円と、人口が日本の半分であることを考えるとやはり大ヒットと言っていいだろう。また、世界興収は累計1億2000万ドル(約170億円)に及んでいる。

© 2024 Conclave Distribution, LLC.

 賞レースも席巻。2025年年明けには米ゴールデングローブ賞で脚本賞を受賞。2月の英国アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞。さらに3月、8部門でノミネートされた米アカデミー賞では脚色賞を受賞した。

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「こうした賞レースでの高い評価、試写での手ごたえや口コミの良さ、前売り券の売れ行きから、ある程度のヒットは期待して、最終的な興行収入を3億~4億円くらいではないかと予想していたんです。ところが、3月20日の春分の日に公開し、その週末を合わせた4日間の数字を見て驚きました」(同前)

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 なんと4日間で128回もの満席回が出ていたのだった。このスタートダッシュは社内でも話題になったという。

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「作品の面白さがフィジカルな口コミで伝わっていたことはやはり大きかったと思います。もともと中高年層、洋画ファンなどをメインのターゲットとしていたものが、都市部では初動から老若男女幅広い層のお客様にお越しいただいたので、とても手ごたえを感じました」(同前)