ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・デップ(25)は、着実に俳優としてのキャリアを積み上げてきた。彼女の最新主演作『ノスフェラトゥ』(5月16日公開)は、タイトル通りのドラキュラ映画。『ライトハウス』などのロバート・エガース監督作とあって話題だ。公開にさきがけてインタビューした。

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エガース監督の映画に出るのは夢だった

 米国北東部、ニューイングランド地方で育ったというロバート・エガース監督。感受性の強い少年時代に神話や伝説などに魅了され、それが現在の映像作家としての独創的な作風の基盤になっているようだ。『ライトハウス』や『ノースマン 導かれし復讐者』などで熱いファンの支持を獲得した彼の最新作は、『ノスフェラトゥ』。子供の頃に衝撃をうけたという1922年の白黒ドイツ映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』(F・W・ムルナウ監督)に触発されたオリジナル作品だ。

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 ここで主人公のエレンを演じるのが、リリー=ローズ・デップ(25)。ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディを両親に持ち、10代のころから俳優やモデルとして活躍してきた。すでに10年近い経験を持ち、これまでの出演作はどれも個性的かつ感情的に訴えかける作品ばかり。彼女のアーティスティックな感性が反映されている。本作の出演を熱望したという理由について、リリー=ローズはこう語る。

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「エガース監督は、一緒に仕事をしてみたい監督のリストのナンバーワンだった。彼の映画に出演するのは、私の夢だったの。おまけに作品が『ノスフェラトゥ』となれば、なおさらやりたいと感じた。ドラキュラのテーマにはすごく興味があったので、この映画のこの役を逃したくないと必死になった。オーディションの機会がもらえた時は感激した」

 彼女のオーディションでの演技にエガース監督は圧倒されたという。

「オーディションがあることもあれば、そのまま役をもらえることもあり、その時々の状況によって違う。今回はオーディションがあってよかったと思う。監督にとって、キャストがどんな演技を披露してくれるかを垣間見る機会になるし、私はこの役を自力で勝ち取ったという気持ちになったから。いろんな点で満足感を感じることができた」

心に闇を抱えた複雑な主人公を演じて

 ドラキュラ映画、特に本作のインスピレーションとなった1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』に馴染みはあった?

「実は本作の準備のために初めて見たの。今回の映画は監督の独創的な視点で描かれているけれど、22年版の映画には好奇心をくすぐられたし、また歴史的な意味で勉強にもなると思った。ブラム・ストーカーの原作よりも時代を先取りしていると感じた」