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女性用風俗よりも不倫よりも、息子とのセックスが良かった
性的な満足を得たいのならば、女性用風俗などを利用するのもひとつである。韓流スターにハマった時期は、子離れできていたのならば、同様の「推し」を探すのもひとつだ。
「お金で性を買うっていうのは、どうしても抵抗があります。じゃ、不倫とか、恋愛ができるかといったら、私は恋愛経験がないので、相手から拒絶されるのが怖いんです……」
他人に拒絶されるのが怖いとは、裏を返せば、恵理子は息子であれば何でも受け入れてくれると思い込んでいるのだ。息子への絶対的支配欲は、息子だけではなく、恵理子自身をも苦しめているのである。
「もうそろそろ、息子さんを解放してあげたら恵理子さんも楽になるのではないですか。いくら子どもでも、一生一緒にいるのは無理でしょう」
私がそう伝えると、恵理子は泣きながら、
「そうですよね。ちゃんと、母親の最後の務めを果たさないといけないですよね」
ようやく恵理子は、悠馬を手放すことを決意したように思えた。頻繁にかかって来ていた恵理子からの電話が途絶えてから、1年が過ぎた頃、突然、悠馬から電話があった。
「阿部先生、どうか驚かないで聞いて下さい……」
悠馬のかつてない慎重な話し方に、私の頭には、恵理子が自殺したのではないかという不安が過ぎった。
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