都議会自民党のパーティ券「中抜き」の実態
東京新聞は、都議会自民党の「裏金づくり」を2024年12月にスクープしていた。 今回の紙面に先立ちデジタル版では1週間ほど前から『都議会自民党「裏金」問題を追う』の連載が始まっていた。
ポイントを紹介しよう。
・パーティーを開催するたびに、都議には1人につきパーティー券50枚100万円を売るノルマが課せられていた。
・パーティー券は一律100枚が渡されていた。
・ノルマ以外の「予備」の50枚分は、売っても、それを都議会自民党の事務局に納める必要がない。
つまり予備分を売って得た金を「中抜き」していたのだ。都議が収支報告書に記載しないことで、表に出ない「裏金」にする仕組みだったという。
裏金といえば、国会議員たちは「派閥の指示」とか「秘書が」などと弁明していたが、都議会自民党の場合はパーティー券を販売していたのは都議自身なのである。しかしパーティー券をどこに何枚売ったのか事務局は関知せず、都議も報告していない。
その結果、収支報告書に不記載が生じていた。こうしてみると単純ミスの「不記載」ではなく、やはりどう考えても「裏金」問題なのである。
取材した記者は、
《都議選は2025年6月に迫っていた。もし裏金があるのなら、特捜部が立件しようとしまいと、都議らがだんまりを決め込んでいること自体を厳しく問う必要がある。これはやらなきゃいけないんだ。取材を進めることを決めた。》
と書いている。これぞ新聞記者の役割ではないか。良いものを読んだ。もしかして自民党都議もこの連載を読み、慌てて都議選対策として他党の「水道の基本料金無償化」をパクったのだろうか? 時系列的にも興味深いのだ。
そういえば小池都知事のことも忘れてはいけない。「サプライズ」は小池都政がよくやる手法だからだ。サプライズといえば聞こえはいいが、要は小池都政では小池都知事周辺だけで重要方針が決まる場合があると度々報じられてきた。