大阪・関西万博の会場で、蚊に似た羽虫のユスリカが大量発生した問題で、吉村洋文府知事は5月21日、殺虫剤や防虫剤を販売するアース製薬に対し、駆除対策への協力を要請した。
「アース製薬は大塚製薬などを擁する大塚ホールディングス(HD)傘下で、東証プライム市場に上場。万博では、日本MA-T工業会と共同で大阪ヘルスケアパビリオンにも出展しています。府からのユスリカ対策要請を受け、4800円前後だった株価は5000円台に乗りました」(同社関係者)
1892年創業のアース製薬。1929年に発売した家庭用噴霧式殺虫剤「アース」から名を取り、64年に現社名となった。だが経営難に陥り、69年に会社更生法の適用を申請。翌70年に大塚グループ傘下に入ったのを機に、「ごきぶりホイホイ」などヒット商品の開発に成功した。
「近年はM&Aにも積極的で、2012年に入浴剤大手のバスクリンを買収しました。14年には民事再生手続き中だった白元の全事業を継承するため、白元アースを設立するなど、トイレタリー部門の強化を進めています」(銀行関係者)
足元の業績は堅調だ。昨年12月期の連結売上高は約1692億円(前期比6.9%増)で、経常利益も約73億円(同8.4%増)だった。
ただ、懸念材料もあるという。
現在配信中の「週刊文春 電子版」および5月29日(木)発売の「週刊文春」ではアース製薬の「無視できない三大経営リスク」などを詳しく報じている。

