日本を震撼させた平成の凶悪事件。事件後に流れた歳月は犯人・遺族の心境にどのような変化をもたらすのか――。ノンフィクションライター・小野一光氏が現場を歩く連載「平成凶悪事件と『その後』」が「文藝春秋PLUS」で連載中です。ここでは、平成15年の福岡一家4人殺人事件に迫った記事を一挙紹介します。[全4本]



犯人逮捕を喜ぶはずの遺族の周辺から「結末に納得がいかない」との声が……

2003年6月20日、福岡市東区付近の海中で、手錠やダンベルに繋がれた親子4人の遺体が発見されました。容疑者として挙げられたのは3人の若い中国人留学生。2人は捜査の段階ですでに中国に帰国しており、日中間で捜査協力がなされたものの…。2023.10.23



「どこかに依頼した人間が別にいたのでは」という思いは消せない

犯人とされる3人が、日中それぞれで逮捕されたことで事件の捜査は終結しました。しかし、動機が「強盗目的」とされたにもかかわらず、盗まれた現金はわずか3万7000円であったことなど、不可解な部分は残ります。そんな中、被害者親族の男性はある「仮説」を出しました。2023.10.27



本当に3人だけの「カネ目当て」の犯行だったのか?

犯人となった王亮と楊寧、魏巍の3人は、それぞれどのような人物であったのでしょうか。彼らの来日から犯行に至るまでの流れと、その上下関係を掘り下げます。3人の足取りは現代の“闇バイト”と地続きであるという考察も。2023.11.03



〈悔〉と一字だけ書かれた中国の両親への手紙

犯人のひとり・魏巍は日本で死刑判決を受け、その後刑が執行されました。魏の刑務所内の様子や、両親との手紙のやり取り、また収監後の魏を養子として迎えたある女性の「闇」へと迫っていきます。2023.11.10