戦後日本を代表するスーパースターが亡くなった。6月3日、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督が肺炎のため都内の病院で死去していたことを読売新聞社が発表した。享年89。
5度のMVP・6度の首位打者をはじめ数々のタイトルを獲得し、「ミスタープロ野球」として日本球界を象徴する存在となった長嶋氏。現役引退後は監督として巨人軍を牽引し、1994年には初の日本一に導いた。
アテネ五輪日本代表監督だった2004年に脳梗塞を発症するも、懸命なリハビリの末回復。2022年には脳出血で入院したが、2024年5月には「長嶋茂雄DAY」で松井秀喜らと共にファンの前にその姿を見せていた。
鷲田康氏寄稿の「週刊文春」記事が伝えた、晩年に見せたジャイアンツ愛とオリンピックへの思いを抜粋してお届けする。(初出:週刊文春 2024年1月4日・11日号 年齢・肩書等は公開当時のまま)
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11月23日に東京ドームで行われた「ジャイアンツファンフェスタ2023」に、長嶋茂雄終身名誉監督(87)が久々に姿を見せて、ファンを沸かせた。
紺色の三揃えスーツに同色の水玉模様のネクタイ姿の長嶋さんが車椅子に乗って現れたのは、最後の終了セレモニーだった。選手たちと握手を交わし、阿部慎之助新監督の決意表明後に「あの言葉を」と促されて左手でマイクを握った。
「来年は絶対に勝とう。勝つ、勝つ、勝つ!」
力強い言葉にスタンドのファンからは歓声と拍手が湧き上がり、長嶋さんの顔にも笑顔が広がった。
昨年9月に自宅で転倒し、脳出血で都内の病院に緊急搬送され、その後は入院生活が続いている。3月には巨人の開幕戦を観戦に訪れたが、ファンの前に姿を現したのは文化勲章を受章した2021年のファンフェスタ以来のことだった。
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この続きは「週刊文春電子版」で配信中。さらに電子版では、長嶋一家を巡る“20億円終活”の全貌や、週刊文春の人気対談『阿川佐和子のこの人に会いたい』にゲスト出演した記事を復刻公開している。
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