有希:地元じゃないんで、頼る人もいなかったし、相談する人もいなかった。保険証も切れてたし、お金の面も不安があった。費用がかかるんじゃないかと……。
検察官:保険証はなぜ更新しなかった?
有希:住所が地元のままになっていたので……。ホテル暮らしだったし、不安定な生活を送っていたのが原因です。
検察官:赤ちゃんを産んだときはどう思った?
有希:頭がパニック状態になって、何も考えられなかった。お腹が痛いし、とりあえずこの状況をどうしようかと考えた。子どもに対しては申し訳ないと思うが、誰の子か分からないし、育てる気はなかった。
検察官:生みの母に会いたい子もいるのでは?
有希:私のことは、もう忘れてほしいです。
懲役は…
これほど母性が欠けた女がいるのだろうか。自分が産んだ子どもがどうしているのか、本当に気にならないのだろうか。
裁判所は「遺体をコインロッカーに入れ、延長料金を払うなど犯行態様は悪質。嬰児の遺体が腐敗、コインロッカーの管理会社が荷物を回収したことで発覚したことは、死者に対する敬虔感情や宗教感情が害されたといえる。一方で、被告人は反省し、生活環境を見直すため福祉施設に入所したり、手に職を付けて生活を立て直したりすると述べている」などとして、懲役2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
裁判長は判決の言い渡し後に次のように説諭した。
「望まない妊娠を繰り返さないように、生活環境を立て直してください。生活を立て直すには相当な努力が必要です。そのための努力を続けてください。また、きちんと弔うべき大切な存在を敬うようにしてください」
有希は「はい」と力強くうなずき、法廷を後にした。その後、有希が逮捕されたという報道はない。
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