『ファンタスティック・ビースト』シリーズは事実上打ち切り?
『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、『ハリー・ポッターと賢者の石』の約70年前を舞台に、ホグワーツの指定教科書「幻の動物とその生息地」の著者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)を主人公に据えたスピンオフ作品だ。
2016年に1作目『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開された本シリーズは、原作者であるローリング自身が脚本を手掛けるプロジェクトとしてスタートした。
同作は世界興行収入8億ドルを突破するヒットを記録。しかし、前述したローリングのトランスフォビア発言や、ゲラード・グリンデルバルドを演じたジョニー・デップのDV疑惑と泥沼の離婚劇、クリーデンス・ベアボーン役のエズラ・ミラーが住居侵入および窃盗の疑いで起訴されるなど、トラブルが重なりシリーズにケチが付いてしまった。
3作目『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)では、デップの代役としてマッツ・ミケルセンがグリンデルバルドを演じたが、世界興行収入約4億ドルに留まる結果に。当初5部作として計画されていたこの企画だが、この状況に、『ファンタビ』シリーズは事実上の打ち切りとなったのではないかと言われている。
2023年10月には、シリーズの監督を務めるデヴィッド・イェーツが「4作目に関してはすべて停止している」と発言。2024年には主演のエディ・レッドメインが「おそらく(ファンはニュートの最後の姿を)見たと思います。僕の知る限りは」と言い、ダンブルドア役のジュード・ロウも4作目の制作は保留になっているとし、「彼ら(ワーナー)は今、『ハリー・ポッター』のドラマ化をやっているから、そちらに注力するのでは」と発言した。
その後ワーナーから公式な発表はないものの、2025年現在なんの噂も漏れ聞こえてこないことから、残念ながら『ファンタビ』シリーズは本当に打ち切りになった可能性が高い。
日本で舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が盛り上がる一方で、順風満帆とはいえない「魔法ワールド」。差別的な発言で物議を醸す原作者や、私生活でトラブルつづきの俳優たちの話は一旦脇に置くとして、今もっとも注目したいのは、やはりドラマ版の出来映えだ。
同作は今年夏にも映画と同じロケ地で撮影が始まると言われている。注目のパーパ・エッシードゥは、一体どのようにセブルス・スネイプを演じるのか。また子役たちが演じる新たなハリーたちの冒険を期待をもって待ちたい。
