“人種変更”で物議を醸すドラマ版のキャスティング
2023年に制作が発表されてから、多くのファンが首を長くして続報を待っていたドラマ版『ハリー・ポッター』。「原作に忠実な内容になる」とのことで、映画ではカットされたキャラクターやシーンが登場するのではと、とくに原作ファンを沸き立たせた。
しかし、当時からすでに懸念されていたのは、キャストの問題だった。大人気シリーズである『ハリー・ポッター』のキャラクターたちは、映画でその役を演じた俳優のイメージが強く、それをいかにうまく刷新するかが焦点となっていたのだ。
まずはホグワーツの主な教授陣を演じる俳優たちが2025年4月に発表された。アルバス・ダンブルドア校長を演じるのは、『教皇選挙』(2024年)などで知られるジョン・リスゴー。彼はアメリカ出身だが、Netflixシリーズ『ザ・クラウン』(2016年~2023年)でウィンストン・チャーチル役を演じ、エミー賞ドラマ部門助演男優賞を獲得するなど、イギリス人のダンブルドアを演じるのに不安はない。
ハリーたちが所属するグリフィンドールの寮監ミネルバ・マクゴナガル先生役には、ジャネット・マクティアがキャスティングされた。彼女は2000年の『タンブルウィーズ』でアカデミー賞主演女優賞、2012年の『アルバート氏の人生』で同助演女優賞にそれぞれノミネートされた経歴を持つ。
シーズン1のベースとなる『ハリー・ポッターと賢者の石』で「闇の魔術に対する防衛術」の教授を務めていたクィリナス・クィレルを演じるのは、舞台俳優として活躍するルーク・タロン。
ハリーたちの良き友人となる森番のハグリッドを演じるのは、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)など、多くのコメディ作品で活躍するニック・フロストだ。
しかし、このキャスティング発表で最大の注目を集めたのは、物語のキーパーソンとなるセブルス・スネイプ役を演じるパーパ・エッシードゥだ。映画では故アラン・リックマンが演じた人気キャラクターに、アフリカ系の俳優がキャスティングされたことは大きな驚きだった。


