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他会場の状況を選手に伝えるつもりはない
「持久戦に対しては日本の選手が高い能力を持っているので、粘り強く戦況を見ながら試合を進めていかないといけない。あまり他会場を気にしたくないし、選手にも伝えるつもりはないのですが、情報が選手にも伝わるかもしれない。そのことによって、動きが変わらないようにコントロールしたいと思います。非常にデリケートな3戦目になると思います」
実際に非常にデリケートな試合にはなった。前半は日本が幾度もチャンスを掴みながら、外しつづけた。前線のオートマチズムの欠如は先発6人交代の弊害以外の何物でもない。後半に入った直後、岡崎慎司が負傷交代。この辺りから雲行きは怪しくなる。
59分に失点、ここからの15分間は、得点によって元気になったポーランドと、1点を返そうともがく日本という構図。グループリーグ突破に黄信号が灯るなか、ポーランドのカウンターは鋭くなり、ピンチもあった。しかし74分、H組のもう一方のカード、コロンビア対セネガルでコロンビアが先制し、状況が一変する。82分、長谷部の投入は「敗戦でもOK」というサインだった。
順位決定の7番目の条件であるフェアプレーポイント(警告、退場の少なさ)で順位が決まることを自覚して長谷部は送り込まれ「カードはもらうな」という指示も伝えられ徹底された。以降はブーイングにも焦ることなく試合終了までボール回しに徹し、グループ2位での突破となった。