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非常に難しい、不本意な選択だった
ちなみに8番目の順位決定条件はFIFAによる抽選なので、本当にギリギリで突破したということ。また、ポーランドが先制した時点で日本は3位に落ちているので、コロンビアはセネガルと手打ちにしようということもできたはず。攻撃的なコロンビアに助けられた格好だ。
西野監督は結局、前日の発言を撤回して、他会場の情報を選手に伝えた。しかも、コロンビアの勝利を信じるという他力本願な選択でもあった。ポーランド戦後の会見では、
「非常に厳しい選択でした。万が一ということは、自分たちのピッチでも他会場(コロンビア対セネガル)でもあり得た。不本意な選択。他力に頼っているのも良くないこと。観客からのブーイングを浴びながら選手にプレーさせたことも、自分の信条ではない。自分のスタイルは攻撃的というか強気というか……」
と、激しい言葉で自責の念を口にした。おそらく本当に、忸怩たる思いを抱えた選択を強いられたのだろう。前日の言葉もこの日の言葉も、どちらも本音なのだ。
一方でこうもいう。
「勝ちあがれたこと、そこだけにフォーカスしたい」
結果が出たのだから、誰になんと言われようとこれで良いはずだ。そう言わんばかりに西野監督は堂々と落ち着いていた。舞い上がる様子もなく、しっかりと次を見据えているのは過去2回の16強進出とはちょっと違うのではないか。
あと2回くらいは、おもしろい西野監督の会見を見られたら良いなと思うのである。