高市の足場固めはすでに始まっている

 夏に選挙を控える自民参院は、今なお減税を求める声が根強い。衆院側でも非主流派の高市早苗前経済安保担当相らが減税を主張する。くしくも同じ5月17日、消費税を巡って、森山と高市が衝突した。

 森山は鹿児島県屋久島町の講演で、夏の参院選で消費税が争点になるとして、「自分の政治生命をかけても問題に対応したい」と断言。高市は札幌市の講演で石破が消費税減税に否定的な見解を示したことについて、「私たちの敗北かなと思っている」と落胆してみせた。

5月21日の党首討論 Ⓒ時事通信社

 ポスト石破に意欲を示す高市の足場固めはすでに始まっている。4月25日、派閥裏金事件で受けた党役職停止1年の処分が明けた萩生田光一元政調会長の政治資金パーティーで講演。冒頭、「萩生田親分、おつとめご苦労様でした」と頭を下げ、会場を沸かせた。いまや高市は「党内で一、二を争う人気の応援弁士」(党本部職員)だという。

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 5月14日には、高市が主導して党の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略本部」を本格始動させた。会合には約60人が参加した。高市は3月から自ら主宰する議員連盟の設立を模索しており、党最高顧問の麻生太郎に支援を依頼。調整の結果、麻生が本部長を務める同戦略本部を、高市が本部長代理となって事実上取り仕切る形で、再始動させることで落ち着いた。

※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年7月号に掲載されています(赤坂太郎「不信任案をめぐる野田と石破の攻防」)。

出典元

文藝春秋

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