しつこく付きまとわれただけじゃなく、ついには自宅に押し寄せられる事態に…。人気ラジオ番組のDJを襲った「驚きのストーカー犯」とは? 平成16年に起きた事件の顛末を、事件サイト『事件備忘録』を運営する事件備忘録@中の人の新刊『好きだったあなた 殺すしかなかった私』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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加害者はラジオのヘビーリスナー
平成16年9月29日までに、大阪府警東署はストーカー規制法違反の疑いで兵庫県宝塚市在住の無職の女(当時30歳)を逮捕した。被害に遭ったのは「FM802」の人気DJの40代女性。女は平成13年ごろにラジオを聴いてそのDJのファンになった。公開録音やイベントには足繁く通い、熱心なファンとしてDJを応援する日々を送っていた。時には、直接話をする機会もあったという。平成15年の11月ごろになって、女はDJの自宅の電話番号を捜し出すことに成功。以降、自宅に何度も電話をかけるようになる。
ファクス兼用の電話だとわかると、「声が好き」「話がしたい」「好きです、なぜわかってくれないの」など、一方的な思いをファクスで送りつけはじめ、電話の留守電にも容量がいっぱいになるほどの愛のメッセージを吹き込み続けたという。平成16年4月以降は、DJが講師をしているダンススタジオなどにも押しかけ、どうしても話がしたい、なぜ話をしてくれないのかなどとDJに詰め寄るなどしたことで、9月、DJはついに警察に告訴するに至った。調べに対し女は、「彼女は理想の女性」と話し、自分の暴走行為にDJが恐怖を抱いているとわかってはいたというが、それでも自分の気持ちを伝えたいという思いがおさえられず、いても立ってもいられなくなったと話した。
同年10月18日には罰金30万円の略式命令が確定。二度とつきまとわないと誓約して女は釈放された。しかし、女はものすごく怒っていた。
