毎年のように俳優やアーティストがドラッグをめぐって逮捕されていく芸能界。一体、何が起きているのか。長年、薬物取材を手がけてきた「週刊文春」エース記者が紐解く芸能界の薬物汚染の実態。「週刊文春 電子版」異色の連載第4回の一部を抜粋してお届けする。(初回は#1へ)
「当時、私は21歳でドラッグの経験もなく、最初はまったく気付かなかった。膣に何かを塗られたとき、最初は『ローションかな』と思っていた。でも、明らかに自分自身がおかしくなっていったんです」
彼女は、「週刊文春」取材班の取材に対し、耳を疑うような告白をした。
彼はいつもカラーコンタクトを付けていて…
「もともと私は身長161センチで体重52キロだったのに、どんどん食欲がなくなってきて、まったく食べられなくなった。数ヵ月で45キロくらいまで体重が落ちてしまって。しかも、全然眠れないんです。彼に『なんでなの?』って聞いたら『シャブを使っていた』って」
彼女が告発する相手は、音楽アーティストのC氏である。彼女は覚醒剤事件を起こし、執行猶予判決を受けた後、薬物依存の治療を受けるために故郷に戻っていた。
「彼自身はそれを炙って鼻から吸っていました。彼はいつもカラーコンタクトを付けていて『瞳孔が開いているのがバレないためだ。お前も付けたほうがいいぞ』って話していた。シャブの煙は独特の甘ったるいようなケミカル臭がするから、彼はいつもブルガリなんかの香水を付けていました」
先輩格のアーティストは台所でポンプ
女性はC氏の無軌道な日常について堰を切ったように語りだす。
「彼は月1、2回、シャブパーティをやるようになりました。だいたい夜中12時から朝方までアーティストの仲間を自宅に招き、そこには女性を2、3人呼ぶ。彼の先輩格のアーティストは台所でポンプ(注射器)をやっていました」
こうした情報を得た「週刊文春」取材班は、C氏の行動確認を続けることにした。彼女の証言の裏付けを取ることが第一の目的だが、追跡取材によって売人の存在を割り出すなど、ドラッグ使用の背景を探ろうとしたのだ。
「週刊文春 電子版」ではこの記事の続きを配信中。アーティストCに対し行われていた綿密な捜査、捜査で分かった大量の血、驚きの偽名、逮捕に至らなかった背景などを詳しく報じている。

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