小泉進次郎氏が農水大臣になってからコメ問題が急に動いたように見える。それはなぜ? というわけでここ1カ月の新聞記事を読み直してみた。
コメ問題が動いたのは小泉氏のおかげなのか
まず備蓄米の「随意契約」について。国が特定の企業を選び個別に契約することだ。流通のスピードが速くなると言われた。これは小泉氏の手柄なのか? すると、大臣交代後の記事に官邸幹部の証言が載っていた(朝日新聞5月27日)。
《官邸内では失言問題の前から案として浮上していたが、「失言のマイナスを緩和するため、小泉氏の就任と同時に打ち出そうとなった」という。》
つまり江藤拓前大臣の失言前から随意契約の案はあったわけだ。政策転換が可能になった背景には「森山裕幹事長に次ぐ自民党の農水族の実力者として知られる江藤氏」(朝日新聞5月22日)が去ったことも勿論大きいだろうが、要は参院選前に自民党がこれ以上失点をしたくないから慌てて(仕方なく)動いたという経緯が見えてくる。いかがだろうか。日本のコメは「自給自足」かと思っていたが「自作自演」なのである。
昨年からのコメの高騰を長引かせたことや、そもそも日本のコメ問題は長年にわたる自民党政権の対応が大きな要因だ。それにもかかわらず、
《政権幹部からは「小泉氏は期待以上。ケガの功名だ」と政権浮揚に期待をにじませる声も聞かれる。》(朝日新聞6月6日)
ああ、はしゃいでいる。コメを政権浮揚のきっかけにしようとしている。
それだけではない。産経新聞は『自民に衆参ダブル選論 米価対策で支持率回復基調』(6月12日)と報じた。
