オランダの風俗街は、不思議といやらしさがない
――それでもレオさんは、YouTubeを始めて2年ほど経った今でも、各国で「治安が悪い」と言われる地域や、風俗街を訪れ続けていますよね。
レオ 大前提として、危ない目にはあいたくありません(笑)。でも、行くと気になってしまうんですよね……。そこで死にそうなトラブルにあって「もう危険なことに首を突っ込まない」と決意しても、次に旅行するときには好奇心が勝っちゃうんです。特に風俗街では、その街に住む人たちのリアルさが覗き見られるんじゃないか、と思うんですよね。
たとえばオランダでは、性産業が合法化されていて、観光資源になっています。アムステルダムの「飾り窓地区」と呼ばれる場所では、ショーウィンドー越しに下着姿や裸の女性が立ち並んでいたりもして。そこでは不思議と、いやらしさよりもアートっぽさを感じるんですよね。
一方で、タイやフィリピンはもっと人間臭さを感じます。田舎から出てきた若い女性が、家族を養うために働いているとか。客も従業員も、どこか切ない雰囲気を漂わせているんです。
国によって違いはあれど、どの国にも“性”を取り巻く価値観や制度があって、それがその国の「素顔」を物語っている。つまり、性産業を通して、その国のリアルな文化や価値観を学べると思うんですよ。
友人には「エッチな動画撮ってるでしょ」と言われた
――会社を辞めてYouTuberになった経緯についても教えてください。学生時代は、旅行系のYouTubeばかり見ていたとお話がありましたが、当時から「自分もいつかは」と思っていたのでしょうか?
レオ 憧れてはいましたけど、自分がYouTuberになれるイメージは湧かなかったですね。生まれも育ちもごく普通だし、旅行の経験も少ない。英語だってほとんどできない。そんな自分が動画を投稿しても、見てくれる人なんてほとんどいないよな……と。
それでも、知らない世界を見せてくれるYouTubeは本当に大好きで、大きなことはできないけど、「無敵のレオの動画で、知らない世界を知れたな」って思ってくれる人が1人でもいるなら、やってみたいと思ったんです。
とはいえ「YouTuberって謎にお金いっぱい持ってるし、いろんな人からチヤホヤされて羨ましい!」という嫉妬心が、僕の場合は大きな原動力だったかもしれません(笑)。
――会社員を辞めてYouTuberになることに対して、周りの反応はどうでしたか?
レオ 2023年の9月にYouTubeを始めた頃には、もう完全に会社を辞めて海外と日本を行き来する生活を送っていたのですが、親にはなんとなく言いづらくて、未だに「レオは東京の会社で働いている」と思っているはずです。
ただ、ありがたいことに動画がバズったり、こうやって取材をしてもらったりと、メディアに露出する機会が増えてきているので、バレるのも時間の問題ですね。実際、友達にも隠していたのですが「エッチな動画撮ってるでしょ!」ってバレ始めているので……。僕が撮っているのはエッチな動画じゃなくて、あくまで旅動画だということは強調したいです。
