過去にも同様の調査をしており、フリーWi-Fi環境に対する不満は2018年度では18.7%と約2割もいたが、2019年度は11.0%まで減少し、そこからさらに微減した形だ。

日本はもともと、フリーWi-Fiの設置が海外の先進国と比べて少ないと言われている。導入コストや維持費がかかるため、自治体や団体などによっては設置できていないところも少なくない。

SIMカードやプリペイドSIM、eSIMなど複数の選択肢があるものの、外国人観光客にとってフリーWi-Fiは今でも利用率が高い大切な手段なのだ。その他、「5Gがつながる場所が少ない」という不満もあるようだ。

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コロナ禍が明けて外国人観光客は急増しているものの、先ほど挙げたように一部の公共交通やコンビニではフリーWi-Fiが使えなくなっている。代替するはずの5Gも、国内全域に十分に行き渡ったとは言いづらい状況だ。需要が高まっている今こそ、国を挙げてフリーWi-Fiをもっと充実させたり、5Gエリアの拡大に力を入れたりするべきではないのだろうか。

偽Wi-Fiアクセスポイントで個人情報を窃取

インフラとしてニーズがあるフリーWi-Fiだが、利用にはさまざまなリスクがあり、実際に事件になっている。

オーストラリアでは2024年、空港や国内線の機内に偽のフリーWi-Fiアクセスポイントを設置して他人の個人情報を盗んだとして、42歳の男が逮捕された。

男は空港や機内で提供されているフリーWi-Fiアクセスポイントとよく似たSSIDの偽のWi-Fiアクセスポイントを設置。利用者はダミーページに誘導され、メールアドレスやSNSのID、パスワードなどを入力させられてしまった。情報は男のデバイスに保存され、個人情報にアクセスするために使用されたと見られている。

事件を受けて、オーストラリア連邦警察は、フリーWi-Fiに安易にアクセスすることを控えるよう警告を発している。