「衆参ダブル選でも200人は超えられる」

 目下、党内で不信任決議案提出の主張を公言しているのは、小沢一郎・総合選挙対策本部長代行(83)くらいだ。小沢氏は6月13日付の産経新聞のインタビューでも「政権を獲る意思がない野党は給与泥棒と言われても仕方がない、党も解散した方がいい」とまで言い切っている。

内閣不信任案を出すよう強く訴える小沢氏 ©文藝春秋

「小沢先生ともお会いして、その覚悟のほどを直接お聞きし、不信任決議案は絶対に出すべきだという考えで完全に一致しました。また、先週、小川(淳也)幹事長が来られて、不信任決議案提出について意見を求められたので、出さない選択肢はないと強く申し上げましたし、大串(博志)代表代行兼選対委員長にも同じ考えを伝えています。

 選対幹部と話をしたところ、現状の公認候補は160人くらいだが、いざ衆参ダブル選になったとしても、200人は超えられるとのことでした。昨秋の総選挙では、立憲は小選挙区で207人の公認を出し、比例区の30人と合わせて過半数(233人)をクリアしています。今回もそのくらいのことは可能だと。したがって、準備不足だからという声も、不信任決議案提出に二の足を踏む理由にはなりません」

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 党内では、潜在的に不信任決議案提出を望む声が少なくないという。

「私は1回生を対象に政権担当能力を考える勉強会を主宰してきましたが、先週、そのうち20人ほどの議員に個別で意見を聞いてみたんです。彼らの本音を引き出すために、あえて、『当選したばかりでまた選挙はやりたくないでしょう?  不信任決議案も反対だよね?』と尋ねました。ところが、意外にも8割の1回生が『不信任決議案を出すべきだ』と言うんです。

 頼もしさ、心強さを感じました。同じ時期に、何人かの1回生議員が小川幹事長を訪ねて、不信任案を出すべきだと直訴したそうですが、私が聞いた結果とも平仄が合います。政局ズレしたベテラン議員の中には出すべきではないという声はありますが、1回生議員でさえ、最大野党の進むべき道を毅然と訴えているのです」

 それでも、もし野田氏が不信任案を出さず、その結果、支持層に見放され、参院選で敗北を喫する結果になれば――。江田氏が明言する。

「政権交代を掲げる以上、少数与党という好機に、かつ、不信任決議案を突き付ける理由は山ほどあるのに、あえて出さなければ、これまで述べてきた理由から厳しい参院選になることは明らかです。それでもし敗北するようなことになれば、当然ながら野田代表には、その責任を厳しく問う声が党内外から上がることでしょう」

野田氏の決断は? ©文藝春秋

 側近にも腹の底を明かさないことで知られる野田氏は、G7後の6月19日に不信任決議案提出の是非を判断するとみられる。6月20日の金曜日、果たして国会で何が起きるのか――。

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