「小泉さんの取り組みはスピーディー。だが…」
かたや自民党は、小泉進次郎農相(44)による米価引き下げの取り組みが評価され、報道各社の世論調査もやや上昇傾向にあるが、江田氏はこう批判する。
「ミクロ的には、小泉さんが農水大臣になってからの取り組みがスピーディーであることは事実でしょう。しかし、マクロ的視点で振り返れば、米価は昨年の夏頃から上がり始めて、9月には5キロ3000円を突破していました。
本来であれば、もっと早く備蓄米を放出すべきだったのに、当時の坂本哲志農水大臣は『新米が出てくれば価格は下がる』と備蓄米の放出を逡巡し、案の定、米価は下がるどころか上がり続けた。この春、江藤拓大臣がようやく放出すると決めたかと思ったら、緊急時には随意契約ができると法律で定められているにもかかわらず、(高値になる)競争入札で販売した。
徹頭徹尾、消費者ではなく、生産者側にばかり立ってきたわけです。普通にやるべきことをやっていれば、年明けから5キロ2000円ほどで米がスーパーに並んでいました。これは完全な石破政権の失政です。今さらのように、小泉大臣が随意契約での備蓄米放出に踏み切ったのは弥縫策にすぎません。米価高騰の要因である、米の供給余力を削いできた自民党農政を抜本的に改革しなければ、この秋からの新米の価格も下がることはないでしょう」
もし不信任決議案を出したとしても、可決するには、日本維新の会、国民民主党らの賛同が不可欠だ。しかしながら両党とも往時の勢いを失っており、積極的に解散総選挙に持ち込もうというムードはない。提出した場合、維新や国民民主が賛同するかどうかは不透明だ。
「不信任決議案を出せば、国民民主や維新にとっては“踏み絵”になります。野党の足並みが揃わないと言われている中、それぞれの政権への立ち位置をはっきりさせることができる。それは有権者の投票行動にとって大きな判断材料になります。私は、不信任決議案を出せば、国民民主や維新は反対したり、欠席したりはできないと思います。
もしそうすれば、現政権を信任したと同じことになりますから、彼らにとっても参院選を戦うのは厳しくなる。だから、出せば最終的には乗ってくると見ています。万が一、彼らが反対や欠席をすれば否決されますが、それはそれで彼らの正体を国民の前であぶりだせるという意味で悪い話ではありません。不信任決議案提出の判断には様々な考慮要因があることは確かですが、今回の場合、出さないデメリットの方がはるかに大きいと思います」
