佐川宣寿元国税庁長官が自民党の親密企業に天下りしていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

 佐川氏といえば、森友事件の改ざん問題に関して2018年3月下旬に国会に証人喚問された際、答弁拒否を50回繰り返したやりとりが話題となった財務省の元官僚だ。財務省は2018年6月に公表した調査報告書で「佐川氏が改ざんの方向性を決定づけた」と結論づけている。

2018年3月9日に国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏 ©時事通信社

東証プライム上場企業の顧問に就任

 近畿財務局職員だった赤木俊夫さん(当時54)の自死が判明するやいなや国税庁長官の職を辞し、去就が不明の状態だった佐川氏。今回、判明したのが佐川氏が鹿児島県に本社を置く東証プライム上場企業の顧問に就任していた事実だ。

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 同社の関係者が語る。

「2023年の冬ごろから、佐川さんを社内で見かけるようになりました。見覚えがあり記憶をたどっていると、上司が『ほら、森友の…』と。うちの顧問になったそうです。毎年の忘年会にも参加し、役員らと親しげに酒を酌み交わしていました」

 週刊文春の調べによると2010年以降、自民党への政治献金の窓口「国民政治協会」に、同社やその関連会社などから合計330万円を寄付していたことがわかった。また、過去には国会議員の関係団体にも寄付し、社長の個人名義でも寄付をしている。

財務省がまとめた森友事件の調査報告書 ©時事通信社

就任の経緯は「個人情報に関わるため、お答えできません」

 7日に副社長を直撃した。

――佐川氏が顧問に就任?

「ああ。はい」

――経緯は?

「そこは社長がやっていて、あまり存じ上げないんです」

 後日、同社に改めて就任の経緯を尋ねたが、「個人情報に関わるため、詳細についてはお答えできません」との回答だった。

 6月18日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および6月19日(木)発売の「週刊文春」では、佐川氏が天下りした企業の実名、その企業の社長と自民党議員との深い関係、佐川氏以外の森友事件に関係した元財務官僚の天下り先などを詳しく報じている。また、森友事件の取材を長年続けてきたフリー記者の相澤冬樹氏のレポートも掲載している。

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