アメ車が売れないこの国にも、アメリカのカスタム文化はたしかに息づいている。海の向こうに思いを馳せる、ホットなオーナーたちの素顔に迫る!

 今回は、「37th MOONEYES Street Car Nationals®」の出展者から、タントをカスタムする「いっちー」さんをご紹介。

20年ほど前から車を弄りはじめ、多くの軽自動車をカスタムしてきた「いっちー」さん

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愛車との別れが辛すぎて…

 このタントはもう、15年以上前に弄っていた車なんです。過去にはイベントで賞を貰ったりもしたんですけど、このところはナンバーを切って保管していたんですよね。今回はちょうど、劣化していた外装を塗り直したタイミングだったので、またナンバーをとって出してみようと。

ウインドウのラインに沿って伸びる繊細なピンストライプ(注:車体などにフリーハンドで繊細な線からなる図柄を描く表現技法)は花冠のよう

 そもそも車を弄るようになったのは、25歳くらいの頃でした。たまたま当時乗っていたワゴンRと同じ型で、アメリカンカスタムが流行っていて。それからもうかれこれ40台くらいに乗ってきましたけど、今でもそのうち12台は保管してあるんですよ。

 やっぱり車を買い替えても、それまでの車を手放すと寂しくなるじゃないですか。それで、いつからか別の車を買っても残しておくようになり、そのままどんどん増えてしまって……。

サイドからリアへと連続していくピンストライプが特別感を印象づける

 ただ、自宅には2台分しかスペースがないので、資材置き場のような場所を借りたりしつつ、どうにか収めている感じです。理想をいえば、屋根つきの場所で博物館のようにできれば最高なんですけどね。

 台数だけ見るとお金持ちのようですけど、ほとんどは軽なんですよ。四角くて愛嬌のあるデザインが好きなので、軽ばっかり増えちゃって。

運転席に佇むラットフィンクは車体と同系色

 よく「普通車を弄ればいいのに」とも言われますが、安く手に入れて安く弄るというのを繰り返すうち、ここまで増えてしまったので……。これから普通車を増やしてもお金がかかりますし、今ある車は手放したくないですから、この形を崩すつもりはないです。

 あと実は、現時点でナンバーをつけて動かしているのは8台なので、自動車税は少し大きめの車2台分くらいで済んでいて。ブランドや外食にも興味はないですし、もともとあまりお金を使う方でもないので、意外となんとかなっているんですよね。

荷室には木製の収納ボックスをビルトイン。見た目にも実用性にも優れるカスタムだ

 夫はもうずっと、私の趣味に関しては見て見ぬフリという感じです。たまに代車とかでノーマルの車に乗ると、「こういうのでいいのになぁ」と呟いていることはありますけどね。

あるコスメ用品のパッケージにこのカラーが使われており、板金ショップにその箱を持ち込んで塗ってもらったのだとか

 でも、私にとってはこういったイベントや集まりが生きがいで、生涯をこれに捧げているようなものなので……。こうして趣味を続けさせてくれている夫には申し訳ない気持ちもありつつ、いつもありがたく思っています。

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