アメ車が売れないこの国にも、アメリカのカスタム文化はたしかに息づいている。海の向こうに思いを馳せる、ホットなオーナーたちの素顔に迫る!
今回は、「37th MOONEYES Street Car Nationals®」の出展者から、N-BOXをカスタムする「たっつん」さんをご紹介。
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母の送迎用に買った福祉車両で
昔から車弄りが趣味で、20年ほど前からこういったペイントにも興味をもちはじめて。当時の職場にピンストライプ(注:車体などにフリーハンドで繊細な線からなる図柄を描く表現技法。アメリカのカスタムカーカルチャーが発祥とされる)の入った車に乗っている同僚がいて、それがすごくオシャレに見えたんですよ。
調べてみると、ピンストライプデザインの第一人者で、ワイルドマン石井という方がいるらしいと。早速連絡して、自分の車にもピンストライプを入れてもらい、それからもう何台もお願いしているんですよ。このN-BOXもその1台ですね。
ただ、この車はちょっと経緯が特殊といいますか。もともとは、母が病気をした関係で、車いすでそのまま乗れる福祉車両が必要になった際に送迎用に買ったものなんです。
送迎用ですし、しばらくは手をつけずにいたんですが、それからあまり経たないうちに、母が亡くなってしまったんです。
それで、少し落ち着いてから、別の車に乗り替えることも考えたのですが……。思い入れもあるので、このまま弄ってしまった方が楽しいかなと。
この車のペイントは、一度に全部描いてもらうのではなく、月に1回少しずつピンストライプを足していってもらったんです。毎月の楽しみがあると、生活にもハリが出るじゃないですか。
ただ、最初はもう少しキレイめに仕上げる予定だったんですけどね。途中でボディにサビを入れはじめてから、かなり方向性が変わって。
これはあえて塗装を剥がして本物のサビを出しているのですが、サビたボディに負けないインパクトを出そうと、ペイントもどんどん過激になっていったんですよね。
派手になっていくたびに、近所の小学生から注目されたり、知り合いから「あの時あそこにいたでしょ」なんて言われたりすることも増えました。職場ではもう、「あの人はそういう人だし」みたいな扱いですね(笑)。
今までは人に見てもらうことより、自分が楽しむことを優先してやってきたので、あまり人の評価は気にしてこなかったんですけど……。今回初めてイベントに出してみて、ちょくちょく「すごいね」なんて声も聞こえてくるので、ショーの一環として楽しんでもらえているなら嬉しいですね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。





