「びっくりして逃げちゃったようなの」
事態が大きく動いたのは18日、事故から4日後のこと。捜査をしている吉川警察署にスキンヘッドの男が付き添いを伴い出頭してきた。警察は過失運転致傷とひき逃げの疑いで中国籍の鄧洪鵬容疑者(42)を即日逮捕した。
「鄧容疑者の妻は、テレビ朝日の取材に怒り心頭の様子で、『遊んでいた子供が車にぶつかってきたと聞いている。逃げたわけではない』と答えていました」(前出・記者)
一方、妻の知人で、出頭に付き添った通訳役の女性は周囲に容疑者の言い分をこう吹聴していたという。
「びっくりして逃げちゃったようなの」
中華料理店で昼下がりから生ビールを注文
ところが――。同日夜、両容疑者の“飲酒運転”の疑いが強まった。
ひき逃げ事件を起こす前の午後3時ごろ、2人の姿は三郷市内の“ガチ中華”料理店にあった。当時の様子を店員が中国語を交えて証言する。
「スキンヘッドの男が来店したような記憶はあります。決して常連ではなく、初めて見るお客さんでした。2人は生ビールを注文していたと思います」
まだ日も高い水曜日午後のことである。
「注文は4、5品くらい。じゃがいもの細切りや麻婆春雨などを頼んでいました」
会計時の卓上には空のジョッキが複数並んでいたという。2人は最後に白米とソフトドリンクで締めた。
「1時間前後の滞在でしたが、とても元気な様子で、ふらふらしたり酔っ払っている感じはありませんでした」
中華料理店の前には駐車場があるが、この店の客以外も利用可能。店員もわざわざ車の乗り降りまでは確認していなかった。
飲酒運転の発覚を逃れるため現場から逃走
店を後にした2人はその後、約3キロも車を転がした先で小学生4人をはねることになる。
前出の記者が語る。
「県警は逮捕後のレクで、鄧容疑者が現場から逃走したことについて、飲酒運転の発覚を逃れるための逃走だったと厳しく指摘しています。同乗した男性は鄧容疑者の飲酒を知りつつ、寮までの送迎を暗に依頼したとして責任は小さくないと見ている」
昼日中から憚ることなく飲酒運転をし、子供に怪我を負わせた上で逃走を図ったとされる鄧という男は一体何者なのか。

