「おしりは右と左で、別々の動きができるじゃないですか」

 メンバーからある謎かけじみた問いかけがあった。

「さて(人間の体に)おしりはひとつでしょうか、ふたつでしょうか?」

 カズハはひとりだけ「ふたつ」と回答。メンバーを爆笑させている。韓国語で展開したその持論も大ウケだった。

「だっておしりは右と左で、別々の動きができるじゃないですか」

「バレエをやっていたのですが、右と左で力の入り方が違うものだと思うんです」

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 同じ日本人メンバーのサクラが韓国語で「じゃあ(おしりと)似たような見た目の果物、桃も、一個をふたつって数えるの?」とツッコミを入れる一幕も。

 カズハの韓国語のスキルは韓国内で「まだまだ」と見る向きが多い。それでも、韓国語で笑わせる。容易なことではない。本人は2024年のインタビューで、自身のこんな考えを明らかにしている。

「自分が話したことで周囲が笑ってくれるのはうれしいんです」

デビュー時から黒髪を貫いていたが、「HOT」のプロモーションで金髪に“大胆イメチェン”したカズハ(カズハのインスタグラムより)

「大惨事」音楽フェスでパフォーマンス力不足が指摘

 一方で、カズハに厳しい逆風が吹いた場面もあった。韓国テレビ局の芸能担当記者が言う。

「2024年4月、LE SSERAFIMは韓国内で大きな批判にさらされました。アメリカで行われた世界的な音楽フェス『コーチェラ』に参加した際のパフォーマンスが酷評されたのです。『日本人メンバーがレベルを下げている』という指摘もあり、カズハも批判を免れ得ませんでした」

 4月16日の「韓国経済新聞」はこんな見出しで報じた。

「LE SSERAFIM、米でライブ『大惨事』…『K-POPアイドル』論争が勃発」

  グループ全体として特に歌唱力への批判が飛び交った。音程や声域など、「実力が伴っていないままデビューした」との批判で、この“論争”は長引いた。

2023年4月20日(米時間)、「コーチェラ」のステージに立つLE SSERAFIM ©時事通信社

 約2ヶ月後の6月22日にも、韓国のオンライン新聞「ノーカットニュース」が「LE SSERAFIMに必要だったこと」として現地音楽評論家たちの厳しい声を掲載している。

「LE SSERAFIMが最近抱えてきたライブでの弱点が際立ったステージだった」

 

「グループ自体が、毒気(トッキ)*がありつつ一生懸命に何かを『成し遂げる』というコンセプトなのに、ライブでは弱点が見える。そのため反感が生じるのだ」
*トッキ=殺気立つような、鬼気迫る雰囲気のこと