6月24日に日本4枚目となるシングル「DIFFERENT」をリリースした、5人組K-POPグループのLE SSERAFIM。11月には初の東京ドーム公演を予定するなど、日本でも強い存在感を放つこのグループには、サクラ(宮脇咲良)とカズハ、2人の日本人メンバーが所属している。
K-POP界では“異例のデビュー”だったといわれるカズハは、韓国でどう見られているのか? 韓国のカルチャー事情に詳しい吉崎エイジーニョ氏が、現地の声を基に寄稿した。(全2回の1回目/続きを読む)
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カズハは最も”謎の存在”だった
2022年にデビューしたK-POP5人グループLE SSERAFIMの日本人メンバー・カズハ。グループ結成当初、カズハはメンバーのなかで最も“謎の存在”だった。韓国の芸能記者が解説する。
「LE SSERAFIMは最大手事務所『HYBE』の初めてのガールズグループとして注目を集めていました。BTSを成功させたHYBEの議長(=会長)パン・シヒョク氏は過去に自身が失敗した女性のグループをなんとか成功させたかった。
そのために中小事務所だった『SOURCE MUSIC』を買収してLE SSERAFIMを手掛けさせるほど、入れ込んでいたのです。そんなグループにあっても、カズハについてはデビュー前に公開された情報が少なかったのです。私自身も『日本人』『長身』『バレリーナ』くらいしか印象がありませんでした」
メンバーのうちサクラ、キム・チェウォンの2人は過去にデビュー歴があり、ホ・ユンジンはオーディション番組に出演していたためにすでに知名度があった。残りのメンバーは、多くのK-POPグループがそうであるように「練習生期間を経てデビュー」――それが既定路線だろうと思われていた。しかし、カズハは全く知られていない存在だった。
2022年5月2日に行われた、LE SSERAFIMのデビューイベント。彼女はそれまでの“無名”の評価を一瞬で覆してみせた。本当に一瞬で十分だった。


