「もし韓国で歌手にならなかったら……」

 本人は自身のバレエの実力を、2025年のインタビューでこう答えている。

「もし韓国で歌手にならなかったら……。上手くいけばオランダでバレリーナになっていたかもしれません」

 実際、バレエ団入団のための準備もしていたという。だが、同時にHYBEからスカウトを受けたことで運命が変わった。当時はコロナ禍のため、オランダからリモートでオーディションを受け、合格をつかんだ。その時の心境をのちにこう明かしている。

事務所のオーディションには、留学先のオランダからBTSの「Dynamite」のダンス動画とバレエの動画を送ったという(LE SSERAFIM公式インスタグラムより)

「『バレリーナ』という職業も魅力的だけれど、今の仕事がもっといろいろと夢を広げられる仕事だと感じるようになりました。ずいぶん悩んだりもしましたが、『まずやってみよう!』という感じで、オーディション映像を送りました」(「weverse magazine」2022年5月12日)

 2023年、LE SSERAFIMは全K-POPグループのうち、世界でのSNS総アクセス数でトップ10入りを果たした。デビューからわずか2年目でみせた快挙だった。その後も人気を着実に高めていった。

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LE SSERAFIM。(左から)ホ・ユンジン、キム・チェウォン、カズハ、宮脇咲良、ホン・ウンチェ ©時事通信社

「グループ名は『IM FEARLESS(私は恐れない)』を組み替えたもの。デビュー曲もそういった内容で、当時韓国で隆盛を極めたガールズクラッシュ(女性が憧れる女性像)のスタイルでした。 2023年にリリースした『Perfect Night』では全編英語詞で耳障りのいい“イージーリスニング”の要素を取り入れ、さらに『Come Over』(2025年)ではレトロなスタイルを披露。多様なコンセプトを消化できるグループとして知られています」(現地スポーツ紙記者)

 そういったなかで、カズハの“あるキャラクター”が韓国内で知られていく。これによって、彼女の人気がさらに加速したのだ。

次の記事に続く 「大惨事のライブ」「国家の恥」と韓国で激しく批判…LE SSERAFIM日本人メンバー・カズハ(21)の評価が一変した出来事とは?《現地記者が解説》

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