「批判の的として狙われすぎている」という声も
いっぽうで当時から、韓国内でも擁護の声があったのも確かだ。同記事は現地評論家たちのこういった声も掲載している。
「LE SSERAFIMは少し批判の的として狙われすぎているという面がある。大きな舞台でK-POPのファンたちが満足できないパフォーマンスを見せてしまうことは過去にもあった。それなのに(この件を)、『国家の恥』『K-POPの限界が露呈した』という見方をしたがる雰囲気があるようだ」
「野外フェスティバルは簡単ではない。その場に合った独特な企画や編曲を披露して差別化してこそ効果が大きくなる。このノウハウ構築には時間がかかる。何か一つ尖ったものが必要だった。今回は(LE SSERAFIMが用意していたパフォーマンスの)企画自体が浅かった」
それでもカズハは2025年3月11日に大きく成長した姿を見せた。
公営放送KBSの有名音楽トーク番組「リムジンサービス」に登場したのだ。これはK-POPアイドルグループのメンバーがソロで登場し、一人でじっくりと数曲を披露。かつMCとのトークにも応じるものだ。
カズハの生歌に絶賛コメントが相次ぐ
元々バレリーナであるカズハは、ダンサーとしてのイメージの方が強かった。ボーカルの実力は韓国の一般層にまでは届いていなかったといえるだろう。だが、ここでの歌唱パフォーマンスは周囲を大きく驚かせるものだった。
番組では3曲+1曲のイントロを生歌で披露。この様子を収めた番組公式YouTubeチャンネルの動画は、再生回数100万回を超えた。さらに韓国語ユーザーからの絶賛コメントも相次いでいる。
「すごい、本当に知らなかったけど……。カズハさん、天使のような声を持っていたんですね~。 歌声が美しくて、とても驚きながら聞かせていただきました」
「カズハさんのこれまでの努力と成長がよく表れている動画ですね。LE SSERAFIMが今年1年、良いことばかりがあふれることを願っています」
「天使が歌っているのを見に来ました」
この日のオンエアでも、カズハは「有望株」という韓国語の単語を知らず戸惑う場面があった。また新型コロナ時代と重なった自らの練習生時代を振り返る際に「隔離」という単語を言い間違う場面も。しかしそれはそのまま、編集されずに放映された。分からないなりにコミュニケーションをする姿も、カズハの“ありのまま”として受け入れられるのだ。
彼女がたとえ、バレエを通じてのダンスの素地があり、華麗な欧州での生活の経歴があり、韓国人が惚れ込むルックスを有し、知られざるボーカルの実力を有していたとしても……。こういった「愛される力」「親しみやすさ」が、彼女の根底にある一番の才能なのではないか。ある意味「大阪っぽさ」とも言えるか。そんなことを思うのだ。
日本での露出も増えているLE SSERAFIM。きょう27日には「MUSIC STATION」(テレビ朝日系)に出演予定だ。画面に映った彼女の姿から、そんな一面もにじみ出てくるだろうか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

