“ジャニヲタ”自身が語る“スタヲタ”と名乗らないあまりにもシンプルな理由とは「ネガティブなニュアンス」「他の言葉では通じない」

WEST.のファンネーム“ジャス民”は変更されていない

　こうしたなか、「ジャニーズ」「ジャニ」という言葉の今後について、考えかたのヒントになるのはWEST.のファンネーム、“ジャス民”でしょうか。

　WEST.は、2023年10月にグループ名を「ジャニーズWEST」から「WEST.」に改名しました。

　しかしながら、ファンネームの“ジャス民”は変更されていません。

　言うまでもなくジャス民の“ジャ”はジャニーズWESTに由来しますし、乱暴な意見の中には「それもジャニーズの“ジャ”なんだから消すべき」という声もありましょう。

　けれど、“ジャス民”という呼び名にはジャニーズWESTのファンという意味だけでなく、花のジャスミンもかかっています。ジャスミンには「愛らしさ」「優美」「あなたについて行く」といった花言葉があり、そのイメージはそのままファンの一途さや可憐さにつながります。

　ジャスミンの花のようなファンを表現する言葉として、メンバーが彼女たちを「ジャス民！」と呼び、ファンもその名を名乗り続けることは認められてほしいものです。

　ところで、「自分たちの居場所をどう呼べばいいか」悩んでいるのはファンだけではありません。

　2025年2月に結成されたジュニアたちによる新グループ「B&ZAI」の橋本涼さんは、6月26日にぴあアリーナMMで行われたファーストライブ「First Beat」のステージ上で「かならずこのメンバーで、この事務所からデビューする！ 絶対にこの事務所から！」と、宣言しました。

　熱い決意を声にしながら、ジャニーズでもSTARTOでもなく「この事務所から」と表現したのは、彼らなりの最適解だったのでしょう。

　呼び名というのは誰かが強いて変わるのでなく、「気づいたらそう呼んでいた」ように、いつの間にか定着するものだと思います。今はまだ、決め手となる言葉がないのです。

　社名が変わり、それなりの時も流れました。いつか自然と“ジャニヲタ”という言葉が廃れ、別の呼び名が台頭する日が来るかもしれません。

　それまではファンもタレントも手探りで呼びかけ合って、やがてなじむ言葉にたどり着くのではないでしょうか。

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