ドラえもんはのび太に幸せになってもらうため、22世紀の未来からやってきました。時代を行き来できるタイムマシンや四次元ポケットの実現は難しいかもしれませんが、現在、中国では様々なロボットが登場しており、ドラえもん的なロボットが出てくるかも、といわんばかりの勢いです。

 2足歩行のロボットや4足歩行のロボットの開発は、アメリカのボストン・ダイナミクス社が有名ですが、中国では続々と対抗馬が出てきています。今年に入ってからは、特に人型ロボットに注目が集まっています。

写真はイメージです ©AFLO

 春節前の中国版紅白こと「春節聯歓晩会(通称春晩)」では、多数の2足歩行ロボットと人がともに伝統芸能を含めた踊りを披露。「ロボットの時代が来たんだ」と中国人を驚かせました。

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ロボットが参加するスポーツの大会も開催

 さらに、今年の前半はロボットのハーフマラソン大会、ロボットによるキックボクシング大会、ロボットによるサッカー大会などが行われ、注目を集め続けています。

展示会場でロボットボクシングする様子

 ハーフマラソンでは、ロボットが走る後ろをスタッフが心配そうに追いかけ、別のロボットは発走直後にリタイアしていました。その様子は、まるで「鳥人間コンテスト」のようで、見ていて心に刺さるものがありましたよ。

 このハーフマラソンで完走し勝ったのは、「UBTECH Robotics」と「北京ヒューマノイドロボットイノベーションセンター」が共同開発した「天工Ultra」というロボットで、身長180cm、体重55kgで、最高速度は時速12kmに達するそう。

北京のロボットマラソン大会で出てきた様々なロボットたち

 灰色の顔と胴体と手足があるロボットの見た目は、1999年に初めて中国で開発された2足歩行ロボット「先行者」をイメージしますが、走ったり戦ったり踊ったりする姿は「先行者」から随分進化していると思います。

「これが同じ国の製品か!」と思うと同時に、かつて日本でも話題になった「先行者」はもう四半世紀前かと時の流れを痛感するところです。