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駄目だしチケットのようなソリューションはないものなのでしょうか

 一方で、キモいおっさんは救いがないのも事実です。それは多少若くても、コミュ障で清潔感ゼロの怪男子が蛇蝎のごとく女性陣から嫌われ、同僚女性に交際を申し込んで玉砕を繰り返しているさまを見ると「まず二日に一度でいいから風呂に入って爪を切って歯を磨いてひげを剃れ」と言いたくなります。でも、そういう身だしなみに気をつけないと周囲に不快感を与えるよ、というのは男性ばかりではありません。電車の中で化粧をする馬鹿女も立場の弱い取引先社員に無理矢理合コンセットさせるクズ管理職女も、根っこの部分では駄目な人であることに変わりはないはずです。

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 そういう馬鹿の男性と恐らく同数いるはずの馬鹿な女性に対して「セクハラだ!!!」と逆ギレされないように「すいませんが、それってパワハラなんでやめてもらえませんか」と伝えられる駄目だしチケットのようなソリューションはないものなのでしょうか。某先進的なICT企業に打ち合わせにいったら部外者である私がいる目の前でその部下にブチ切れてる女性管理職がいて、それもコテコテの精神論で「残業してでも企画書仕上げるのがお前の仕事だろーが!!」と金切り声を上げているのを見ると、男性も女性もおそらくは同じ問題を起こしているのです。ありゃ駄目だろ。

 女性だから立場が弱い、男性らしく女性らしくは問題だ、という人が少なくないのも、まあ構わないのです。言いたいことは分からなくはないし、表現の自由はありますからね。ただ、先日テレビでも取り上げられた「日傘男子」のトレンドで、類推される検索キーワードが「キモい」とか「気持ち悪い」っていう文字列であることを見て、性差の埋めがたい壁というものは間違いなくあると感じます。

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「だからおっさんは駄目なのだ」というのは差別的じゃないか

 つまりは、世の中にはそう多くない一定数の「アカン奴」とか「ヤバい奴」というのがおります。それは男性でも女性でもそれなりの割合がおり、これらは「おっさんだからアカン」とか「低学歴だからヤバイ」というようなレッテルを貼らずに差別にしないようにできないだろうか、と思うのです。少数のアカン奴がおっさんにおるからといって「だからおっさんは駄目なのだ」というのは差別的じゃないかと思いますし、ヤバい女性に対して女性だからといって「お前、それヤバいだろ」と言いづらい社会ってのは息苦しい別の問題を引き起こすだけなんじゃないかと思うわけですね。

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 もちろん、掛け声として「女性が社会に出やすく」という理想があるのは分かります。でも、そもそも夜でも女性が一人で出歩ける安全な社会には一応はなっていて、諸外国と比べても性犯罪は少なく、すでに充分問題は解決されているようにも思います。そのうえでなお、おっさんなんだから我慢しろ、おっさんには同情しないという風潮が続く限り、いつまでもおっさんは「さよなら」と言われ続けることでしょう。それを言ってる連中にはまったく興味がないのだとしても。