グッときたシーン
――一方で作中では、シスターフッド(女性同士の連帯)を感じる場面がありました。「男女雇用機会均等法の母」とも呼ばれる元文部相・赤松良子さんの「職業人として自分が感じた悔しさを 若い人たちには味わわせたくなかった」というセリフの次のコマを、初音の表情だけで表現しているのは特にグッときたシーンです。
ハミ山 そう演出できていたなら本当によかったです。
――マンガの良さですよね。ハミ山さん自身の印象に残っているコマはありますか?
ハミ山 難しいですが、北村紗衣さんの回は絵が結構気に入っています。“知の翼”をイメージしたコマは好きですね。
――わかります! 成長物語として考えると、友達だけでなく、東大女子の先輩たちから学びを得るというのは大事な要素でしたね。
ハミ山 いろんな世代の東大女子を描いて再認識したのは、東大女子というものを時間軸で考えると、今でも問題はあるものの、少しずつ良くなっていることです。今後さらに状況は改善していくという希望が持てると感じました。
高校生に読んでもらいたい
――最後に希望が残りますよね。この作品をどんな人に読んでもらいたいですか?
ハミ山 高校生に読んでもらえたらいいですね。卒業後のキャリアについて、特に女性はキラキラした側面ばかりが強調されている気がするので。先輩たちがどんなことを考えて大学生活を送ったのか、実際にどんな悩みがあったのかを知ってもらえたらと思います。
――私も今回通読して、高校生に読んでほしいなと強く感じました。東大を目指す子はもちろんですが、そうでない子も、人生の選択肢を持つことの大事さが伝わると思います。親御さんがまず購読して、いいと思ったらお子さんに勧めるのもアリですよね。
ハミ山 親御さんは子どもに何を伝えるか、お子さんは大学だけでなく中学や高校の受験校選びの参考にもなるかもしれないですね。
